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閲覧履歴には「殺し方」「不意打ち」「人間を食べるときの注意事項」

 初公判では、8月から10月にかけて白石被告が購入した物品なども示された。

 首吊り用ナイロンテープ、作業用なのか防じんマスク、レインコート、ゴーグル、ノコギリ、ミキサー、消臭用には猫のトイレ用砂、消臭ペットシート……。消耗品の購入頻度はすさまじく、連日、休むまもなく解体作業を行っていたことが窺える。

白石被告 ©文藝春秋

 そして、検察から提出された請求証拠の購入リストには気になるものもあった。“ニンニク”だ。請求証拠は事件に関わるものだけが示される。ニンニクは一体、何に使われたものなのだろうか。

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 公判では、白石被告のスマートフォンの閲覧履歴についての言及もあった。

 白石被告は、2017年5月中旬から動画投稿サイト「YouTube」で「殺人」「包丁」「研ぎ方」「不意打ち」などの単語を調べ、8月20日には牛の解体動画や、何人殺せば死刑になるかについても検索していたという。そして、そのなか閲覧履歴には「困ったときの死体解体法」「人間を食べるときの注意事項」といったブログやウェブサイトもあったのだ。

 証拠物品とウェブサイトの閲覧履歴は、事件とどう関係しているのか——。

事件の現場となった白石被告の自宅 ©文藝春秋

 公判中、白石被告はじっと目をつむりながら、動じることもなく、たまに体を揺らしたり、姿勢を変えたりしながら、まるで退屈な授業を聞いているかのように検察側の冒頭陳述や証拠品の説明について耳を傾けていた。

 今後、12月までかけて20回以上行われる予定の公判で、ひとりひとりの被害者の事件の詳細が明かされていく。10月7日には被告人質問が行われるが、白石被告は何を語るのだろうか。