〈女の子(5歳)に「せんせい、どうしたら おとな になれるの?」と聞かれたので「うーん…20歳になったらかなぁ」と答えたら、そばにいた男の子(5歳)が「『こどもに なりたい』と おもったら じゃない?」と素敵な答えを言った。本当にそうかもしれない。〉

 こんな園児たちとのやりとりがTwitterで人気を博した、男性保育士のてぃ先生。書籍化された『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか』やコミック『てぃ先生』でも、ハッとさせられたり、キュンとする大人が続出している。そんなてぃ先生に最近の保育園について聞いてみた。

関東地方の保育園で働くてぃ先生 ©渋井哲也

ポジティブな情報発信を

――てぃ先生は保育園の日常をつぶやいたTwitterが話題となり、フォロワーも43万人と多いのですが、ネットは以前からしていたのですか?

てぃ先生 Twitterを始めたのは2012年です。もちろん、それまでもネットサーフィンはしていましたが、SNSはmixiが全盛のころにちらっとやっていた程度です。ただ、(ネット・コミュニケーションの)面白さは感じませんでした。情報を発信しようと思ったときに、原則本名でつながるFacebookではなく、本名で登録する必要がないTwitterを選びました。

 情報を発信しようと思ったのは、保育士も5年目となり、地に足がついてきて、余裕が持てるようになったからです。そんなとき、メディアを見てみると、保育に関するネガティブな情報ばかりが目立っていました。「福祉って大変」とか「保育士は低賃金」とか。育児に関しても「子どもが可愛くない」とか「子どもを産んで大変」という特集はありました。

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 逆に、「子どもを産んでよかった」という情報は少ないのです。ネガティブな情報ばかりだったら、子どもを欲しいとか、保育士になろうとは思わないですよね。保育士として働いている中では、楽しさがあります。そのため、ポジティブな情報を発信していこうと思ったのです。

9月に発売された最新の『てぃ先生』6巻

――Twitterやマンガでは、子どもたちの微笑ましいエピソードが紹介されて評判になっていますが、最近笑ったこと、驚いたことはありますか?

てぃ先生 男の子に「トイレに行こう」と声かけをしたところ、「行きたくない」と言うのです。理由を聞いたら「遠いから行きたくない」という返答でした。「すぐそこだよ」と言ったのですが、「ううん、遠い。車で行きたい」と聞きません。結果抱っこしたら上手くいった、なんてエピソードがありました。

 笑ったことといえば、通勤中の電車内で、ベビーカーに乗った小さな子が中吊り広告の男性を指差して「パパ〜パパ〜」と嬉しそうに笑っているのが、面白く微笑ましかったです。多分似ているんでしょうね。

 驚いたことは、Twitterにも載せたのですが、SNOWという写真アプリがあります。それで撮ったような体で絵を描いている女の子がいまして、そういうのは現代っ子だなと感じました。