弁護士の同席を認めず「加害生徒にも未来がある」
母親としては、弁護士にはあくまで自身の代理として調査結果の聞き取りなどを行ってもらう予定だったが、Y中学校側は急に態度を硬化させた。前出の親族が続ける。
「母親が弁護士の同席を学校側に求めたら『弁護士が一緒では話すことができない』と、母親一人で来るように指示を受けました。母親は仕方なく、体調がすぐれない中一人で学校へ行きました。その話し合いの場で、教頭先生から『わいせつ画像の拡散は、校内で起きたことではないので学校としては責任は負えない』『加害生徒にも未来がある』などと突然告げられたそうです。その話を母親から聞かされた爽彩は『どうして先生はイジメたほうの味方にはなって、爽彩の味方にはなってくれないの』と泣いたそうです」
その後、加害者のC男、D子、E子が通っていたZ中学校から「加害者の保護者から謝罪の場を設けてほしいという要請があった」という連絡がY中学校にあった。そこでY中学校とZ中学校は検討を重ね、合同で「加害生徒と保護者が、爽彩さん側に謝罪する会」を開く予定で進めることになった。
しかし、爽彩さん側が、謝罪の会に弁護士の同席を求めると、Y中学校は同席を拒否。Z中学校は同席を認めたため、結局、謝罪の会はY中学校とZ中学校別々で行われることになった。
Z中学校では「見ていただけ」と言い訳する加害生徒も
2019年8月29日の夕方、爽彩さんの母親と弁護士、加害者C男、D子、E子と自慰行為の強要の場に居合わせた複数の小学生とその保護者らが出席して、Z中学校での「謝罪の会」は実施された。母親の支援者が打ち明ける。
「Z中学校からは爽彩さんを連れてきてほしいと言われましたが、爽彩さんは出席できる状況ではなかったので母親と弁護士だけで出席しました。20名ほどが集まった教室で最初に校長先生が『うちの生徒が申し訳ありませんでした』と謝罪しました。その後、加害者と保護者は廊下で待機。教員立ち会いのもと、母親と弁護士の待つ教室に加害生徒とその保護者が一組ずつ入ってきて話し合いを行いました。爽彩さんが公園で自慰行為を強要された際に、中学生の加害生徒らと一緒に爽彩さんを囲んだ小学生の両親は泣いて謝るケースがほとんど。しかし、中学生の加害者の中には表向きは謝ったものの、『私たちは(イジメを)見ていただけ』と言い訳をする者もいた」