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【これもまた初歩】静音化機構を備えたキーボードに交換する

 静音キーボードの中には、静音タイプのスイッチを採用するだけでなく、静音化に効果的な機構を内蔵するキーボードもあります。例えば東プレの「REALFORCE」は、もともと静音スイッチを採用していることに加えて、スイッチのオン位置を調節できる機能や、キーの下に敷いて深く押し込めないようにするキースペーサーの付属により、キータッチへの影響を最小限に抑えつつ、打鍵音を抑えられます。

東プレのキーボード「REALFORCE」シリーズの一部製品には、キーの下に敷いて深く押し込めないようにするキースペーサーが付属します。ざっくり言うと「キーの下にスポンジを敷く」構造で、静音化が見込めます(画像はメーカーサイトより)

 もっともこれらは高級キーボードにのみ採用されているギミックで、一般的な静音キーボードに比べると単価も高く、スタッフ全員に行き渡らせるにはコスト的に無理があります。タイピングが騒々しい人にだけこうした製品を会社が買い与えるとなると、ほかのスタッフからのブーイングは必至です。また通常の静音キーボードと違って調整が可能なことが災いして、こうした設定をオフにした状態で使い続ける人が、出てくる可能性もあります。

【別の発想】キーボード以外の入力方法に切り替える

 まったく別の発想として、音声入力など、キーボードを使わない別の入力方法の利用を促すという方法があります。これならば、騒々しいタイピング音は一切発生しません。キーボードそのものを使わないのだから当然です。音声入力ツールには、スマホやタブレットはもちろん、PC向けの製品も多数あり、利用スタイルに合わせて選べます。

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最近のスマホには音声入力ツールが標準で付属していますが、業務で使うのであれば業種や目的別に特化した機能を備えるアドバンスト・メディアの「AmiVoice」などがおすすめです(画像はメーカーサイトより)

 もっとも、タイピング音よりむしろ騒々しくなってしまう可能性があるのは、まったくもってその通りで、本末転倒な結果になりかねません。またビジネス向けの音声入力ツールはさまざまな業種業態ごとにパッケージが分かれていますが、キーボードを一切使わずに済むというわけではありません。「キーボードを使わない業務だけを担当させる」というアクロバティックな方法もありますが、労基上の別のトラブルに発展しそうです。