どうしてもメールの誤送信を繰り返してしまう……。発達障害を持つ人も持たない人も、経験したことがあるミスなのではないでしょうか。
『 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』(翔泳社)より、発達障害支援のプロが教える、メールの誤送信を未然に防ぐ3つの「ちょっとしたコツ」を抜粋します。
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事例―「何度もメールを誤送信してしまう」
宛先間違いに、敬称・添付ファイルの付け忘れ。メールのミスを頻発してしまう
お客様へのメールを打ち終わって、送信ボタンを押した瞬間に「様」の付け忘れに気づいた。慌ててももはや手遅れ。メールはすでに送信済み。仕方なく、すぐにお詫びのメールを書いて送信。
しばらくすると、先方から返事のメールが。
「それはいいんですけど、添付ファイルがないようです」。
またもやお詫びメールの作成開始……。
この前は宛先を間違えて部長に同僚向けのタメ口のメールを送ってしまったし、自分はメールのミスが多過ぎる。
原因―なぜ何度もメールを誤送信してしまうのか?
ミスに気づかない不注意と、反射的に送信ボタンを押してしまう癖
宛先間違い、添付ファイルの付け忘れ、文面のミス。「よくあるミス」 も、ADHDの不注意が関わるとその確率が跳ね上がってしまう。
メールを書き終わったら反射的に送信ボタンを押してしまうところは、衝動性も関係してくるかもしれない。
書き終わった文面を見直しながらもマウスカーソルが送信ボタンに向かってしまうため、事例のように送信ボタンを押した瞬間にミスに気づいて、「あっ!」となってしまうことも多い。
これはADHDだけでなくASDを持つ人にも多いのだが、頭の中で「メールを書く→送信ボタンを押す」の手順ができ上がってしまっているため、半ば自動的に手が動いてしまう。見直し忘れや、添付ファイル忘れが出るのもこの点が大きい。