文春オンライン

「超高齢社会」なのに「介護後進国」!? 日本で幸せな老後を送るために知っておきたい“3つのポイント”

『道路を渡れない老人たち』より #1

note

 これは今、介護をしている人にとっても、これから介護が必要な年齢にご自身や家族がなる方、両方に大切なことです。それは次の3つです。

 ・支援をとことん利用する。

 ・情報を集め、他人に任せず、本人もしくは、家族が考えて選択して行動する。

ADVERTISEMENT

 ・身体機能を維持させることを第一に考える。

 1つひとつ説明していきます。

 まず、「支援をとことん利用する」という意識を持ってください。

介護支援の難点

 介護保険という保険制度を利用することで、多くの人が介護支援を受けられる制度があります。

 これは、40歳になると、自動的に保険料を支払うようになるものです。

 ですから、利用するのは、当然の権利といっていいでしょう。

 また、粗大ゴミを自宅の前で回収してくれたり、交通機関の利用料金が安くなったりと、さまざまな自治体などのサービスもあります(公開されていないものも多く、非常にわかりにくいのが難点ですが……)。

 ただ、これらは、自分で申請しないと活用できません。

 忘れずに申請をする必要があります。

親の面倒は子どもが見なくてはならないという幻想

 また、自分の親のことは自分がよくわかっている、自分の親のことなのだから、子どもが面倒を見なくてはならない、自分のことをよくわかっている子どもたちに面倒を見てほしいと、そのような支援を受けない人も少なからずいます。

 もちろん、家族のことをよくわかっているのは、家族なのかもしれませんが、だからといって、そこに固執するのは、本人や家族にとって本当に幸せなことなのかというと、そうではないと私は考えます。

 なぜなら、特に高齢者の身体機能の維持には、専門職の意見は欠かせません。

 ほとんどの人が、初めての介護になる一方で、いろいろな高齢者の身体を見てきた人の知見は、必ず役に立ちます。

 また、介護する家族の人生も、同様に大切な人生です。

 介護が負担になって追い込まれるようなことがあってはいけません。そうならないための介護保険制度です。

 ぜひ、介護支援を利用することを当然のように第一の選択として、家族も本人も考えてください。

【続きを読む】後を絶たない “もち窒息事故”…それでも94%のデイサービス施設が口腔ケアを行わない“意外なワケ”

「超高齢社会」なのに「介護後進国」!? 日本で幸せな老後を送るために知っておきたい“3つのポイント”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー