2017年3月に発売されたNintendo Switchが未だに売上を伸ばし続けている。2021年9月30日時点で世界での推計販売台数9287万台を記録しており、任天堂で最も売れた据え置き機Wii(世界販売台数推計1億163万台)をまず超えるであろう勢いだ。
しかし、Nintendo Switchは発売から4年8ヶ月以上も経過しているゲーム機である。“普通”であれば、そろそろ世代交代が見えてくるタイミングだ。しかし、いまでも人気は衰えないし、それどころか期待のゲームが2022年以降も続々と出続ける。なぜNintendo Switchはここまで異様な人気を誇っているのだろうか? これを4つの理由で紐解いていこう。
強すぎる「任天堂のソフト」の存在
当然ながら、Nintendo Switchでは任天堂が開発した作品や関連ゲームソフトがたくさん発売される。これはシンプルに強い。
マリオ、ゼルダ、どうぶつの森、ポケモン、スマブラ……。任天堂には、発売されればまずヒット間違いなしのゲームがたくさん揃っている。おまけに最近は「スプラトゥーン」シリーズや『リングフィット アドベンチャー』といった新たなタイトルもヒットしており、多くの人がNintendo Switchを欲しくなるのは当然だろう。
Nintendo Switchのゲームを遊びたい場合、やはりNintendo Switchというゲーム機(ハード)を買うほかない。任天堂の第3代取締役社長を務めていた山内溥氏が「ハードはソフトを遊ぶためにしかたなく買ってもらう箱」と語っていたように、ソフトが強い=ハードが売れる、という側面は間違いなくある。
しかし、いくらおもしろそうなゲームがあってもハードが売れないこともある。Wii Uで発売された『マリオカート8』は846万本を売り上げた一方で、Nintendo Switchの『マリオカート8 デラックス』は3874万本ものソフトを販売した。この数字からも明らかだが、Wii Uの販売台数は1356万台と、Nintendo Switchに比べてかなり見劣りする数字だ。
これらのゲームは基本的な内容が同じ(追加要素があるほか一部モードに調整が入っている程度)なのだが、ハードが違うだけで4倍以上も販売数に差が出ている。となると、やはりNintendo Switch自体に魅力があると考えられるわけだが、具体的に何がよかったのか。大きな理由の一つはその特性であろう。