2021年(1月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。社会部門の第3位は、こちら!(初公開日 2021年11月2日)
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10月中旬頃から中国のサイトにアダルトビデオの無修正動画が大量流出し、不正に販売されていることが「週刊文春」の取材でわかった。小誌が確認したところ、流出した動画は約120本にも及んでいる。
AVメーカー関係者が語る。
「業界最大手のソフト・オン・デマンド(SOD)の作品が約50本と最も多く、他にプレステージなど人気メーカーの作品も含まれていた。過去には有名監督がマスターテープを持ち出して流出させた事件や、業界を辞める人間が小遣い稼ぎに持ち出すケースもあったが、本数は少なかった。今回は史上最大規模の流出事件です」
問題のサイトでは違法動画が1本50~100ドルでダウンロード販売されており、人気トップ女優の作品も多数含まれている。こうした動画の削除は可能なのか。ITジャーナリストの篠原修司氏が解説する。
「サーバー運営者に違法動画であることを証明した上で削除依頼を出しますが、対応してくれない場合もある。その後は日本や現地の裁判所に訴えることになりますが、言語や法律の違い、費用面が障害になり、泣き寝入りするケースが多いと考えられます」
元トップ女優でAV女優のセカンドキャリア問題に取り組む小室友里氏はこう憤る。
「一度ネットに流れてしまったら、完全に削除するのが不可能な“デジタルタトゥー”となり、引退後も私生活に影響が出る。海賊版を視聴してもメーカーに売上が入らず、事務所や女優へのギャラの支払いも滞ります。絶対に見ないでほしいです!」
すでにAV業界では危機感が漂い始めている。
「女優の中にはメーカーが組織的に流したのではないかと疑心暗鬼になり、訴える準備を始めた子もいる。一方、メーカー側も盗まれた被害者と主張し、泥仕合になりそうです。何より問題なのは、ショックで引退する子が出たり、今後AVに出演しようと思っていた子が来なくなること。AV界の未来に与える損害は甚大です」(前出・AVメーカー関係者)
SODは代理人弁護士を通じて、「本件の事案を深刻に受け止めており、各専門家と協議の上で、可能な限り削除等の対応を取ることで、被害回復に努めていく予定でおります」と回答した。
情報やデータのハッキングや流出が相次ぐ中、メーカ側の管理体制がじゅうぶんなものだったのか、問われることになりそうだ。
「週刊文春 電子版」では、記事全文を公開中!
2021年「社会部門」BEST5 結果一覧
1位:「覚醒剤漬けでゴムを外され、もらえるのは1日3000円」日本人少女が堕ちたブラジル人マフィアの“違法売春”の実態《ミキが選んだ地獄とは》
https://bunshun.jp/articles/-/54050
2位:「飛田新地とは対照的…」尼崎の色街“かんなみ新地”で70年続いた「警察の黙認」が終わった“ウラの事情”《遊郭が一斉閉店》
https://bunshun.jp/articles/-/54048
3位:AV史上最大規模 無修正動画の中国サイト大量流出に業界が危機感
https://bunshun.jp/articles/-/54047
4位:「不法侵入、シンナー、後輩にヤキ入れ。財産は仲間と絆」元バリバリの“特攻狭山”幹部が明かす“ヤンチャのリアル”《「東京リベンジャーズ」で増加する暴走族》
https://bunshun.jp/articles/-/54046
5位:夜中に忍び込んで“不法宿泊”、テント切り裂き…空前の「キャンプブーム」で続出する「ヤバい利用者」たち
https://bunshun.jp/articles/-/54004
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