正統トンカスのつけあわせは白いスープが基本だが、韓国醤油や韓国味噌という店もある。
“日式料理”はどうして生まれたのか?
これら“日式料理”は韓国の中でどうやって生まれてきたのだろうか。
1980年代初頭、ソウル五輪(1988年)に合わせて訪韓する外国人にグローバルスタンダードのサービスを提供するため、韓国政府は海外企業に協力を求めた。これに、韓国系の在日企業や日本企業が呼応した。
ロッテホテルやロイヤルホテル、コリアナホテルなど、日本から進出したホテルが続々と韓国で日本料理店を開業。新羅ホテルもホテルオークラの支援を受けて日本料理に力を入れた。
こうした4つ星や5つ星の特級ホテルは日本から料理長を招聘し、韓国人料理人を日本の提携先ホテルに派遣して数週間の研修を受けさせもした。
世界の一流と呼ばれるホテルは自国料理店とフランス料理店、中華料理店を擁するのが“定番”だが、こうした経緯から韓国のホテルはそれに加えて日本料理店を備えるようになっていく。次第に、日本料理は「接待料理」として格付けられるようになっていった。
日本料理が接待料理として定着すると、市中にも日式レストランが誕生して独自の進化を遂げていく。
ただ、市中の日式レストランは“玉石混交”だった。1~2週間の日本研修の経験者が日本で学んだと豪語して料理長に採用された例もあった。そんな本格的な日本料理を学んだことがない料理人らが、日式料理を“創作”したのだろう。
日式レストラン「3つの特徴」
余談だが、日式レストランは日本にはない料理を提供するほか、その成り立ちからか3つの特徴を持っている。大小の個室とコース料理、ウェイトレスの制服だ。
中でも印象的なのが制服で、日式レストランのウェイトレスは花柄の上衣と短いスカートが定番となっている。