「お客さんの“モノ”を舐めたら…」誘われた“秘密の遊び”
BさんはAさんの投稿を見たことで、「忘れようと蓋をしていた記憶がよみがえった」。
「先輩舞妓であるお姉さんから“秘密の遊び”に誘われたことは何度もあります。京都の老舗ホテルのスイートルームに舞妓が集められ、『お客さんの“モノ”を舐めたら何十万円、それ以上のことをしたらその場で200万円がもらえるよ』と……。私はただ、着物と舞踊が好きでこの業界に入っただけなのに、あまりにも周囲が性的に乱れていることに疲れてしまい、辞めることにしました」
過去に花街遊びを経験したことのある40代の男性も、こう話した。
「舞妓さんもゲームをして盛り上げてくれるし、酔いが回ってきたら着物の裾に手を入れるくらいのことはあったかもしれない。そこまで滅茶苦茶な遊び方をしないにしろ、勘違いしている連中はいただろうね」
花街の“伝統文化”は変われるのか
一方で、「それはあくまでも一部の客」と言うのは、前出の中年男性客だ。
「今回、投稿が拡散されたことで、すべての花街でそのような悪事が横行しているかのように捉えられてしまっていますが、そんなことはないのです。もちろん、一部とはいえ、そういうことがあることを知りながら放置していたのは許されることではありません。しかし多くのお客さんが、舞妓さんの舞や会話を楽しむといった健全な目的で訪れていることを知ってもらいたい。
伝統芸能の担い手が減る中で、花街で五つの日本舞踊の流派が存続しているのは、舞妓さんたちがいるから。舞妓さんの着物、帯、帯留めのぽっちり、花簪を作る職人さんなど、さまざまな人の努力の上に花街が存在し、今日まで続いてきました。彼女の告発をきっかけに、真摯に頑張っている舞妓さんが報われるような形で、花街がよい方向に変わっていくことを祈るばかりです」
Aさんは一連の投稿の中でこう語っている。
《舞妓さんの職業を無くしたいとは思っていません。いい方向に建て直してほしいのです。芸を愛する人が芸を磨き、伝統文化を発信して欲しい。今までクローズだったが、オープンにする時だと思う》
6月28日、厚労大臣会見でこの件をめぐって記者から「舞妓や芸妓が労働基準法上の労働者とみなされるのか」と問われた後藤茂之大臣は「一概には言えない」と明言を避けた上で、「芸妓や舞妓の方々が適切な環境の下で、芸妓や舞妓としてご活動いただくことが重要」との見解を示した。
日本が誇る伝統文化の担い手である舞妓。その労働環境は守られてしかるべきだろう。今こそ、変わるべき時かもしれない。