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「事情はまったく異なる」と反論
尼崎市から業務の委託を受けたBIPROGYは24日に会見を開いて謝罪。その際、Aさんは自社の社員ではなく、業務を再委託したアイフロントの社員だと説明していた。ところが26日になり、BIPROGYは説明を翻す。Aさんはアイフロントがさらに外部発注した“再々委託先”の社員である、と訂正したのだった。これに“激怒”したのが、尼崎市側だった。「再委託、再々委託に出されていたことは知らなかった」とし、業務を行っていたのはあくまでBIPROGYの社員だと認識していた、と主張したのである。
27日、報道陣の囲み取材に応じた稲村市長は、
「再委託、再々委託は把握していませんでした。マネジメント不足、危機管理にもつながる。様々な観点から損害賠償請求を検討する」
と語気を強めた。
だが、前出のX氏は「事情はまったく異なる」と反論する。
「Aさんは20年も尼崎市に出入りしており、長年、市の担当者とも深い付き合いがありました。にもかかわらず、Aさんの所属が“再々委託先”だったということを『把握していなかった』わけがありません。
確かに、今回の件は尼崎市に対して再委託の事前届はしていません。ですが、これは裏を返せば『そもそも再委託はされていることを尼崎市の職員が当然認識していると考えていたから』という側面もあるのです。20年近く行われた慣例で、市と業者で馴れ合いが起こってしまっていました」
当事者たちはどう答えるのか。