6月21日、兵庫県尼崎市で全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時“所在不明”になった問題。USBを紛失した40代男性Aさんは、市が作業を委託した大手情報システム企業「BIPROGY(旧・日本ユニシス)」が再委託した企業「アイフロント」が再々委託した“ひ孫請け”企業の社員だった。これに対し、尼崎市は「(BIPROGYが)再委託、再々委託に出していたことは把握していない」と“激怒”。稲村和美市長が「契約違反があった。様々な観点から損害賠償請求を検討する」と発言する事態に発展した。
そんな中、BIPROGYの在阪会社関係者X氏が「週刊文春」の取材に応じ、「『再委託されていることは知らなかった』という尼崎市の説明はウソです」と証言した。
“USB紛失”当日に何があったのか。
「BIPROGYの社員ら4名が午後5時から作業を行いました。尼崎市役所近くの市政情報センターでデータを抜き取ってUSBに格納。BIPROGYのコールセンターに持って行った」(全国紙記者)
作業が終わった4人は「“打ち上げ”も兼ねた慰労の会」(前出・X氏)で大阪府吹田市内の居酒屋へ繰り出した。飲み会は3時間ほどで終了。だが、USBを所持していたAさんは泥酔してしまっていた。店を出て「お疲れ様です!」と解散した3人だったが、Aさんはそのまま路上で寝込んでしまう。翌朝、USBが入ったかばんをなくしたことに気づき、会社や警察も含む大人数で捜索が続けられた結果、USBは3日後の6月24日に発見。データ流出は今のところ確認されていない。ただ、Aさんは責任を感じて憔悴しきっているという。