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 指定されたのは、松山氏が当時定宿にしていた、「ホテルサンルート長野」の1階のレストラン。1時間ほど食事をしながら談笑すると、松山氏はA子さんをそのまま上層階の自身が泊る部屋に誘った。部屋でシャワーを浴びると、松山氏は避妊せずに行為に及び、最後の瞬間だけ避妊具を着けたという。その後しばらくたってA子さんが生理がこないことに気づき、産婦人科で診察してもらうと、妊娠していた。

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身バレを恐れ、偽名と偽の住所で同意書に署名捺印

 A子さんが電話で、

「(当時30歳間近で)年齢的なこともあるし、産みたい気持ちもある」

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 というと、松山氏はこう言ったという。

「だって俺、結婚できないもん」

 涙を流すA子さんに、松山氏はこう続けた。

「泣くなよぉ。(人工妊娠中絶のための)同意書を書くから、持ってきて。(中絶にかかる)お金を渡すので、領収書とお釣りも持ってきて」

 そして、2012年10月24日、医師や看護師に身元が露見することを恐れる松山氏は、偽名と偽の住所で同意書に署名捺印したという。

松山氏が書いた同意書

 当事者であるA子さんのもとを訪ねると、当初は「もう過ぎたことなので……」と取材を拒んだが、経緯を一つずつ質問していくうちに、こう答えた。

「適当でも構わないので書いて欲しい」という要望があったと回答

――一連の経緯は事実か?

「はい。それは事実です」

 松山氏の事務所に質問状を送ると、「A子さんと性的関係を持ったことは事実です。人工妊娠中絶同意書に『秦純一』との署名をし、捺印し、現金15万円を渡したのも事実です」と、不倫関係や偽名で同意書に署名したことを認めた。