結婚相手と初めて会うのは式前日
「簡易ベッドが備え付けられた部屋に、男3人の相部屋でした」(同前)
結婚相手と初めて会うのは、式前日のことだ。
「『母から伝道され、信仰歴はこれくらいです』と簡単な自己紹介をして連絡先を交換しました」(同前)
もう一つ、式の前日には「聖酒式」と呼ばれる重要儀式も執り行われる。
「独自に調合したブドウ酒を飲む儀式です。文鮮明氏は過去に演説で『この式がなければ原罪を脱ぎ、血統を転換することはできない』『父母の愛の象徴が入っている。血が入っていないといけない』などと語っていた。ただ、聖酒といっても、実際は3種類の酒と21種類の薬草が混ぜられたものです」(統一教会関係者)
文氏が代表者のカップルに“聖水”を振りかけ…
そして、迎えた合同結婚式。当日はどのような儀式が行われるのか。
「年によって違いますが、文氏による祝辞や結婚指輪の交換のほか、文氏が代表者のカップルに“聖水”を振りかける『聖水式』など20ほどの儀式が行われます」(同前)
桜田らが参加した92年の結婚式では約2万組のカップルが参加し、親族や友人らを含め計7万人が集結。午前11時から約1時間半に及んだ厳粛な儀式で、多田氏の記憶に残っているのは猛暑である。
「炎天下の会場は30℃を超えていました。配られたのは、教会の関連会社が販売する炭酸飲料『メッコール』です。“世界一まずいコーラ”と言われるほど美味しくない。でも実際に熱中症で倒れる人もいて、飲むしかなかった」
冠木氏が参加した95年も同じくソウルオリンピックスタジアムで開催されたが、式当日は雨だった。
「ドレスの上にレインコートでしたが、泥だらけになりました。ところが、文鮮明氏が姿を見せた途端に雨が止んだ。『やっぱりメシアなんだ。さっきまでの雨は天が涙を流していたんだね』という声が上がっていました」
最後に、参加者全員で「マンセー!」と万歳三唱を行った後、文鮮明氏が退場して幕を閉じるという。
新郎新婦が木の棒で尻を叩き合う“儀式”
しかし、これで終わりではない。別会場に分かれた新郎新婦を待ち受けているのは、激痛が伴う重要儀式だ。
「蕩減棒(とうげんぼう)です。新郎新婦が1メートル程の木の棒でお互いの尻を3回ずつ思いっきり叩き合う。これによって原罪を祓うことができるとのことで、信仰心が強い人ほど思いっきり叩く。ホテルに戻って他の夫婦と一緒にやりましたが、お尻が痛すぎておかしくなったのか、みんな『馬鹿じゃないの? ハッハッハ』と笑っていました」(多田氏)
山﨑氏も合同結婚式翌日の記者会見で、こう振り返っている。
「(蕩減棒は)昨夜、みんなの見ている前でやりました。祭司にあたる方もいらして……そりゃ痛かったですよ。人情が出てはいけませんので、しっかり行いましたけれども、痛かった」
一方の桜田は式翌日に北京で映画祭に参加する仕事を控えていたことから、蕩減棒は実施せず、結局、夫との同居直前の9月下旬に日本で行ったという。