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「閉経すると女でなくなる」と考える女性も…44歳で出産した医師が乗り越えた“ホルモン補充療法”のリアル

2022/10/09

 更年期で「ホルモン補充療法」を始めた女性の多くが実感するのが、ホルモンの威力です。そもそも閉経とは? 更年期とは? 産婦人科専門医の船曳美也子氏が基本のキから答えた「女性ホルモン入門」を紹介します。

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更年期の定義とは

──更年期や更年期障害について、医学的にはどう定義されているのですか。

船曳 日本産科婦人科学会では、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を「更年期」としています。

 この間に女性はさまざまな症状に見舞われます(下図)。代表的なものが、顔やカラダが突然カーッと熱くなったり汗が止まらなくなったりする「ホットフラッシュ」です。動悸、倦怠感、肩こり、頭痛を訴える人も多く、めまい、不眠、イライラや物忘れ、抑うつ(落ち込んで憂うつな気分が長く続く)状態になる人もいます。

 これらの症状を「更年期症状」といい、どれか一つでも日常生活に支障を来すほど重い症状がある状態を「更年期障害」といいます。一方でまったく症状が出ない人もいて、更年期の症状にはかなり個人差があります。

 

──閉経後であれば更年期を自覚できるわけですが、閉経前は自分が更年期なのか確信が持てません。

船曳 統計的に日本人の平均閉経年齢は約50歳です。40代前半でも10%、30代で1%、20代でも0・1%弱の人が閉経していますから、やはり個人差があることには留意しなければなりませんが、平均閉経年齢から逆算して、更年期は45歳前後から始まる人が多いと考えていいでしょう。

 統計上ではなく、実際に自分は何歳で閉経するのかわかっておきたいですよね。残念ながら最新の医学をもってしてもそこまで明確な数字を弾き出すことはできません。そもそも閉経とは、医学的には生理が12カ月以上ないことが確認されて初めて「閉経した」といえるので、いわば結果論的にわかることなのです。

全文は「週刊文春WOMAN2022秋号」に掲載中

──閉経すると「女でなくなる」と自ら言う女性もいます。

船曳 そう言わせるのは、「女は産む性だ」という意識だと思います。本当に女性は“産む”性なのでしょうか。

 愛護ホルモンといわれるプロラクチンは、赤ちゃんが乳首を吸うと分泌して乳腺におっぱいを出すように働きかけます。すると幸せホルモンとしてお馴染みのオキシトシンが乳房の筋肉に働きかけ、筋肉がギュッと収縮しておっぱいを押し出します。お母さんが赤ちゃんの泣き声を聞いただけでオキシトシンは分泌され、乳房の筋肉は硬くなってスタンバイしますから、出産後の女性はよく乳房が張るのです。プロラクチンやオキシトシンの活躍を考えれば、私は女性はむしろ“育てる”性だと思います。