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 だったら、自分で使った皿は自分で洗って帰るルールにしてお代はトントンにしようとも考えたのですが、やはり娘に「皿を割ったり、それで怪我をしたり、いろんなリスクがあるじゃない」と言われて。結局、シングル限定にするから面倒臭いんだと気がついて、今のところ「子どもはみんな一律でタダにしてしまおう」ということに落ち着いています。

魚に目をつけた理由

――そんな子どものための食堂開業を目指すにあたり、なぜ肉でも野菜でもなく魚に目をつけたのでしょうか。

林下 そもそも、日本人の野菜信仰は異常だと思うんですよ。野菜の多くはほぼ水と食物繊維で構成されていて、よほどの量をとらなければさほど栄養はとれません。また、肉にしてもちゃんと見極めなければいけない。

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――たくさんの子どもを育ててきただけあって、やはり食に対するこだわりは強いんですね。

林下 当然ですよ。人の体は髪の毛1本まですべて食事から作られています。我々は植物と違って、足元から養分は吸えませんからね。だから食べ物は何よりも大切で、とくに子どもたちには、いいものをしっかり食べさせたいという気持ちが強いんです。

 うちの家族がテレビに追っかけられていた頃、我が家の食事内容についていろいろ批判もあったけど、朝昼晩、俺なりにちゃんと考えて作っていたんですよ。子どもたちも好き嫌い言わず、全部食べてくれた。食へのこだわりは昔からあったんです。

――しかし、厨房の仕事はハードな肉体労働ですし、稼働時間の長さからしてもお体が心配になってしまうのですが……。