昨年発足した女子サッカーリーグ・WEリーグの強豪INAC神戸の下部組織・INAC東京で、監督による女子選手へのパワハラが問題となり、監督が退任していたことが「週刊文春」の取材で分かった。昨年、チームによる調査が行われ、処分も決まっていたが、当該監督が退任し、パワハラ問題は公表されなかった。
INAC神戸はWEリーグの初代チャンピオンに輝いた女子サッカーの名門だ。
「WEリーグ発足前のトップカテゴリー、なでしこリーグでは日本代表主将(当時)の澤穂希選手を擁し、2011年から3連覇も達成。今年10月頭に行われた国際親善試合でも日本代表に4人の選手を送り出している日本屈指の強豪チームです。INAC東京は女子中高生を育成し、名門へと供給する下部組織です」(スポーツ紙記者)
今回、その名門ユースチームで起きた問題を「週刊文春」に告発するのは被害選手の保護者。保護者が経緯を語る。
「私も当初は監督たちがチームを去ってくれればそれでいいと考えていました。しかし彼らはその後、別のサッカーチームで指導を続けている。プロサッカーを含め様々なスポーツでハラスメントが問題になっている中、彼らが処分を受けず、過去を隠したまま指導を続けるのは許されないことだと思い、告発することに決めました」
2021年にはJ1のサガン鳥栖、J2の東京ヴェルディで監督のパワハラが問題視された。JFAは両者に対し指導資格の一時停止や降級処分を行うなど、ハラスメントに厳しい対応を取っている。
今回のケースでは何があったのか。当時INAC東京U-18で監督を務めていたのは、セレッソ大阪でのプレー経験を持つ横山恵介氏。彼が選手たちにしてきた一連の行いを克明に記録したとする一通の“告発文書”を「週刊文春」は入手した。JFAの関係者が明かす。
「選手の保護者が、自身の娘から聞き取った内容を元にまとめたものと聞いています。昨年8月、まずJFAの暴力等根絶相談窓口にそれが送られ、その後、WEリーグ事務局に渡った。それを受けて、リーグ側がチームに調査を指示したそうです」
文書には次のように記されている。