中国ブランドの服を自分でデザインしたように見せかけて売るのは違法ではないのかという記者の質問に対して、A子さんは悪びれる様子もなくこう答えた。
「私は『自分で作った』とは言ってないので、嘘はついてませんよ。セレクトショップと同じで、海外から安く商品を仕入れて日本で売っているだけ。まぁ中国サイトで10分の1の値段で買えると知ったら誰も買ってくれないので絶対言いませんけどね(笑)。一般人だった私たちがインフルエンサーと呼ばれるようになってまだ日が浅いから“転売”と叩かれますけど、セレクトショップのような昔からある商売方法が、個人でもできるようになっただけだと思います」
「“パパ活女子”はインフルエンサーの過去なんて調べませんから」
インフルエンサーの中には、「自分で作った」「自分でデザインした」と言って中国ブランドの服をそのまま転売したり、タグを付け替える本格的な詐欺行為に手を出す人もいる。そんな人たちについて、A子さんはこうコメントした。
「タグを付け替えれば『自分のブランド』感は強まりますけど、法律違反になることもあるだろうし、そこはリスクと相談だと思いますね。ただ1回炎上しても、ブランド名を変えればまたチャンスがあるのはいいですよね。特に私のメインターゲットの“パパ活女子”たちはインフルエンサーの過去なんて調べませんし、可愛い子が着てればだいたい何でも買ってくれると思いますよ」
A子さんは「違法ではない」と断言したが、知的財産問題に詳しい弁護士の河野冬樹氏は、インフルエンサーによる中国ブランド商品の転売について「違法になるケースがあるので注意してほしい」と語る。
「中国の通販サイトで個人で買った商品を日本で販売すること自体は違法ではありませんが、商用の仕入れであると認定されれば古物商の許可が必要になります。洋服のタグを付け替えることもそれ自体が違法なわけではありませんが、他社のものを『自社ブランド品』と偽ったり、中国産の物を国産と偽って販売すれば詐欺や不当表示にあたる可能性が高いでしょう。
盲点になりそうなのは洗濯の方法を示すタグで、日本語表記がなくて中国語表記だけの商品を販売した場合は、家庭用品品質表示法に抵触します」
インフルエンサーへの盲目的な“推し活”には注意が必要だ。