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 JR東日本ってあるじゃないですか。みんな通勤電車でぎゅうぎゅう詰められてフウコラ言いながら移動してるやつ。あの中央線とか、オレンジ色の憎いやつ。あれの稼ぎ頭って、中央線や山手線、常磐線、東海道線あたりなんですかね。なんせ、ぎゅうぎゅうに詰められてるからね。ぎゅうぎゅうに。でも、超絶需要あるからといって、10両編成が30両編成になったりとか、2分おきのダイヤが30秒おきになったりしない。

 じゃあ需要があるからといって、例えば200円の運賃が明日から1000円になりますってなるかと言えば、ならない。公共サービスってそういうもんです。ありがとう、国土交通省。

 でも、そこで儲かった、私が毎朝仕事場に行くときぎゅうぎゅうになる中央線がドル箱であるからといって、複々々々々々線になって上下2層の回転ずしレーンみたいにできない一方、そこで稼いだカネはどこに行くのかと言えば、きっと岩手とか秋田とかその先の日本を走る赤字路線の維持に使われていることでしょう。

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 都市部在住の私からすれば、私の通勤電車の苦痛の結果が秋田県民のゆったり乗る電車に使われているわけですが、でも秋田竿燈まつりとか楽しいし、なまはげに扮して幼稚園に乱入したら園児がみんなビビって泣いたので許す。かまくらで餅焼きたいし、家内はきりたんぽ好きだし、秋田最高だ秋田。ありがとう、秋田県民。

そら若者減るよね、仕事ないんだもん

 しかし、物流の厳しさと秋田への愛とは別だ。人が少ないし、経済活動が停滞しているから産廃も物流も荷物が少ないぞ、秋田県民。どういうことなんだ。こら佐竹、どうにかしろ。泣く泣く、あっち方面に作った中間処理場も最終処分場も縮小したり閉鎖したり合併したりするし、物流も当然減ります。残念。

 そうすると、秋田で毎年何人か採用していた若者が現地で働けなくなって、うちの仙台事務所とかに就職面接に来る。JR東日本の電車に乗って。ごめんよ、秋田の仕事場なくなっちゃって。でも、ひとり暮らしになっても就職したいから頑張るっていうんですよ。成績表見てると超優秀じゃん、産廃業界来てないで東京来いよ東京。という感じで今春は3人の若き秋田県民が、私のところに就職して東京都民になりました。そら若者減るよね、仕事ないんだもん。

 秋田に限らず、地方経済が回らない理由のひとつに、現地の事業者が「最低賃金で人を雇おうとする」んです。人が減るということは、働き手も集まらない。お前ね、人手不足なんだから、周りより高い給料払ってあげなかったら働く人が来ないよ。