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拓哉 慣れていないことは難しいですね。海外旅行は、昔、台湾に一度行ったことがあるだけだったので。イタリア料理は全般的においしかったね。適当に入った店でも、何を食べてもおいしかった。

かをり 量は多かったね。前菜だけでお腹いっぱいだった。あと、クレジットカードが次々に止められていって、恐怖だったね。普段は使わない場所で使わない金額だからか、手持ちのカードが次々と使えなくなっていって……。最後に空港までタクシーで行って、降りるとき「このカードが使えなかったらどうしよう」と(笑)。

結婚後は一緒に「養蚕」も

――クイズの雑談部分で、一緒に大相撲や宝塚などに出かけている様子も語られていましたが、河村さんは篠原さんの影響で宝塚を見に行くようになったんですよね。相手の趣味や好みに影響されて、自分の世界が広がった……というものは、ほかにもありますか?

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かをり 虫が苦手なのに、蚕を一緒に育ててくれたよね。蚕がいる段ボールに落ちている糞をピンセットでひとつずつ拾ってあげていたので、「優しいな、意外と大丈夫なんだな」と思っていた。でも、蚕って普段はあまり動かないのに、繭を作る直前は動き出すんですよね。急に蚕が動いて、段ボールの上のほうにのぼってきたら怖くなったみたいで……。

拓哉 それ以来、蚕のいる部屋に入れなくなってしまいました。

かをり 来年は養蜂に挑戦したいと思ってるんだよね。

拓哉 それは話が違うよ。蜂は人に迷惑をかける可能性があるじゃん。

「謎解き」への複雑な思い

かをり この家では飼わないよ。飼える場所を探して、養蜂の箱を置いて育てたいの。おいしいハチミツや新鮮なハチノコを持って帰るよ。でも、お互いの趣味にはそんなに干渉しないよね。私も夫が好きな「謎解き」の脱出ゲームには一緒に行かないし。

拓哉 僕は基本的に、外には行かずにひとりでクイズを作っていれば楽しい人間なので。今度「謎解き」一緒に行く?

©文藝春秋

かをり 行かない。クイズって知識量だけど、「謎解き」って地頭の良さが試されるってイメージがあるでしょ。自分の人生のポジションとして、「謎解き」ができないって言い難いのよ。世間の人に漠然と得意だと思われていそうだからさ。自分の力のなさをさらすのが嫌なのよ。

拓哉 僕が麻雀とかポーカーを覚えないのと一緒だね。覚えたらやらざるを得なくなって、やったら下手なので頭が悪いと思われるから。

かをり 「やったら絶対に強くなるよ」って言われることは全部やりたくないよね。

拓哉 そうそう。なんなら将棋のルールも忘れたいもん(笑)。