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 ちなみに答えは「水を1滴たらす」なんですけどね。こんな感じに「問題がバレないように」というよりも、「一緒に体験したことや共有している知識だということをうっかり忘れて、クイズにしてしまっていないか?」ということにドキドキしました。

拓哉 僕は締切ギリギリに問題を作っていましたね。なぜかというと、話したくなっちゃうから。問題を作るときは部屋を分けて作業していたよね。

かをり そうだね。日常的に生活空間は分かれているしね。

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拓哉 とはいえ、僕がクイズの問題を作ったクイズ大会に、かをりが出場するのはよくないっていうのはあるよね。

かをり クイズは公平性が必要だからね。

拓哉 だから、今回の本のような機会がないと、公の場でお互いにクイズを出し合うことは難しかったと思います。

©文藝春秋

「答えがウンチになるクイズを考えてくるはず」

――出題者の傾向がわかっているクイズというのは、誰が考えたかわからないクイズよりも答えやすいものですか? 逆に裏をかかれて難しかった?

かをり 私は「こういう問題は出さないだろうな」という推測ができて、答えやすかったなと思ったんですけど、夫のほうは私のことを若干誤解していて、「答えがウンチになるクイズを考えてくるはずだ」と推理して、めっちゃ「ウンチ」という回答を出してきて……。

拓哉 結局「ウンチ」が答えのクイズはなかったけど、「おしっこ」が答えのクイズはあったでしょ(笑)。

かをり まあ……ね。それに、私が一番好きな昆虫も、糞を食べる「糞虫」と呼ばれているものだから。なぜ好きかというと、糞を食べるくせにあんなにメタリックな輝くボディを持っているところが、ギャップがあって好きなんだよ。そういう意味では、一般の人よりもウンチのことがだいぶ好きだと思う。

拓哉 だから1問は出してくると思ったんだよな。

かをり 子供向けの生き物の本を作るときには、ウンチの話を意図的に入れるようにはしているけどね。子供にウケるから、顧客サービス(笑)。子供にクイズを出すのって、1問1問出すごとに爆盛り上がりしてくれるから、すごく楽しいんです。

 この楽しさを忘れちゃいけないって思い返せるし、答えて喜ぶところが見たいと思うし、その思考に至るプロセスも誉めたいし。私は子供の頃、父にクイズを出すのが大好きだったんですが、答えられるのは嫌いだったから、正解を出されても「違う」と答えてました(笑)。

©文藝春秋

クイズは便利な会話装置

拓哉 クイズはその前の文脈に関係なく、いきなり出してもいいものなので、大人同士でも「そういえば、これ知ってる?」って会話が始まるのはアリだなと思います。

かをり クイズって、突然投げかけられてもそんなに違和感を覚えないし、参加型になることでトークに引き込まれることもあると思う。クイズって便利な会話装置なんですよね。