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不合格の可能性も必ず教える

 もう1つ、必ず子どもに教えておかなければならないことがあります。

 それは、「受験というものは、合格することもあるけれど、不合格になることもある」ということです。どんなに偏差値的に合格ラインと判断されていても、100%合格するという保証はありません。

「不合格になった場合には私立中学には通えない。公立中学に通うことになる」と教えておくことはとても重要です。親御さんたちは、不合格になることがあると話すことで、子どもが受験をする自信をなくすのではないかと心配されているのでしょう。しかし、「偏差値的にちょうどいい」と受かるように思わせてしまい、結果的に不合格になることの方が、よほど子どもの自信を砕いてしまいます。

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写真はイメージ ©iStock.com

 まずは、子どもが行きたい中学を選んで、通学時間や学費について検討をする。それでも行きたいと子どもが思ったときには全力で応援をする。「行きたいなら、偏差値に届くように頑張りなさい。でも、受験は不合格になることもあるよ。落ちたときには、公立のF中学に通いなさい。F中学は家から近いし、お金もほぼかからないから、それはそれでいいと思うよ」などと伝えておきましょう。

 カズヤの場合も、不合格になる可能性もあること、公立も悪くないことをしっかり教えてあげていたら、きっと不登校にはならなかったでしょう。

 失敗したときこそ、脳育てのチャンスです。「あのとき失敗したけれど、そのおかげで今の成功がある」と結果的に思えるよう、親はよい言葉がけをして、子どもの脳を育てていきましょう。