楽天グループは、2023年1~9月期連結決算で2084億円の赤字を出した。モバイル事業の赤字に大きく足を引っ張られたためだ。また、今年来年で総額8000億円の社債を償還しなければならない。そんな苦境に直面する楽天には「グループ解体」の危機も報じられている。

 そんなさなか、ジャーナリスト・大西康之氏のインタビューに三木谷浩史会長が答えた(「楽天・三木谷会長 反省の弁」「文藝春秋」3月号、「文藝春秋 電子版」)。

「我々にも責任がありまして……」

 携帯電話の利用者が最も気になるのは、「つながりにくい」問題だろう。

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 大西氏は、その問題について、次のように切り出した。

「(昨年6月に始まった)『Rakuten最強プラン』の中身を聞いた時には、これまでの楽天モバイルの弱点が補われていましたから、『獲得につながるかも』と思ったのですが、契約件数は微増にとどまっています」

 三木谷会長はそれに対し、「そこは我々にも責任がありまして……」と述べ、「『価格』と『つながりやすさ』でまさに『最強』のプランなのですが、5月12日の発表会で、つながりやすくなるのは『6月以降』とも受け取れる表現をしてしまい、お客さんに『いますぐつながりやすくなる』という印象を与えてしまったんです。後から『順次』とお伝えしたのですが、実際に『つながりやすさ』が本格的に改善するのは10月末以降からでした」

 と反省の弁を述べた。

楽天グループの三木谷浩史会長 ©文藝春秋.

なぜ「つながりにくい」問題が10月末までずれこんだのか

 楽天モバイルは昨年10月に「つながりやすい」周波数帯域である「プラチナバンド」を獲得した。10月からつながりやすくなるはずが、10月末までずれこんだのは、なぜだったのか?

 三木谷会長は弁明を続ける。