小池氏が街頭に出ない“2つの理由”
小池氏は密室でのスタートについて「4月の(補選の)亀戸での第一声は、あまりにもプレッシャーが大きかった。今回は大丈夫かという不安を抱きながらだ」と語った。衆院補選で応援演説をした際、政治団体「つばさの党」による選挙妨害に遭ったことを指している。我々も現場で見ていたが、確かに妨害は酷かった。
なので小池氏は街頭に出ない理由を「妨害」と「公務」の2本立てにしていたのだ。
ただ、他候補の演説を見にいくと、今回はあのような妨害はもう無い。小池氏が街頭に出ない理由の一つは消えている。
あとは「公務」だが、小池氏は4月の補選では乙武洋匡氏のために12日間の選挙戦で計9日間応援入りしていた。あのとき公務は大丈夫だったのか? 今回だけ公務のせいにしてないか。
さらに今回は「公務マジック」があった。次の一文を読んでほしい。
《公務は都庁に籠もるだけでなく、現場視察に重点を置く。同行するメディアを通じて、2期8年の実績や今後取り組みたい施策をアピールする狙いが透けて見える。》(読売新聞6月24日)
この手法なら小池氏にとって厄介なフリー記者がいないだけでなく、街頭演説をしなくてもPRができる。さっそくニュース番組では行政視察が終わったあとに報道陣にコメントする小池氏が大きく報道されていた。
これには小池氏支持の都議会会派幹部すら、
《公務と政務の混同ではないかと懸念を漏らす。》(朝日新聞6月21日)
小池氏は有権者、フリー記者のいる街頭に出てくるのがそんなにイヤなのだろうか。聞かれたくないことがたくさんある? そういえば18日におこなった公約発表のオンライン会見では、質問できたのは5社だけ。小池陣営幹部の「よっぽどフリーランスの記者の質問を受けたくなかったんだろうね」という声が報じられていた(報道ステーション6月18日)。