1ページ目から読む
2/2ページ目

 もうひとつ、MATECHの「Smart Card Solar」は、本体がソーラーパネルになっており、太陽光で充電できるユニークな製品です。こうしたカード型のトラッカーは表面積がAirTagよりもはるかに大きいのが特徴ですが、その広い面積を充電のために活用してしまおうというアイディアは秀逸です。

 またソーラーパネル内蔵にもかかわらず、厚みはクレジットカードと大差ないので、財布の中に入れても邪魔になりません。バッテリー容量は230mAhと、前述のロジテック製品の約2倍あるため、1回の充電で約1年間持つ長寿命も利点です。ちなみに1回の充電にかかる所要時間はおよそ3~3.5時間と、短時間で済むのもメリットです。

MATECH「Smart Card Solar」。実売価格は3,990円。防水機能は非搭載です
左がロジテック製品、右が本製品。厚みは2.7mmと若干厚め
上がロジテック製品、下が本製品。どちらもカードサイズで財布への収納も容易です

AirTagと同じ使い勝手。ただし至近距離での追跡は無理

 機能面ではどうでしょうか。両製品ともAirTagと同様、iPhoneの「探す」アプリ上で所在地を知ることができるほか、リモート操作で音を鳴らしたり、現在地から所在地までの経路をマップ上で表示することもできます。メーカー独自のアプリを新たにインストールする必要もなく、iOS標準の「探す」アプリだけで使えてしまうのは、大きな利点です。

ADVERTISEMENT

現在位置はiPhoneの「探す」アプリで地図上に表示できます(左)手元から離れると通知が飛んでくるので、異常事態にすぐに気づくことができます(中)iPhoneのホーム画面にも表示されますので見落とすことがありません(右)

 ただし第1世代の製品と同じ欠点がひとつだけあります。それは「UWB(Ultra Wide Band)」に対応しないことです。UWBを搭載するAirTagは、数m程度の距離まで近づくと、目的のAirTagまでの距離および方角が表示される画面へと切り替わります。これにより、ほかの荷物に紛れていて目視で確認できなくとも、置き場所に誘導してくれるというわけです。数m程度まではBluetooth、その先の近距離はUWBという役割分担です。

 しかしこれらカード型トラッカーは、Bluetoothによる位置検索機能こそAirTagと同等ですが、このUWBによる近距離での追跡機能は省略されているため、マップ上で大雑把な位置を把握することしかできません。財布のように荷物の中に紛れがちなアイテムは、むしろこのUWBによる追跡こそができてほしいのですが、今回紹介している充電対応の第2世代製品も、充電に対応しない第1世代製品も、残念ながら非対応です。

本家のAirTagは、「探す」アプリを開いて「探す」をタップすることで、数mの範囲であればUWBにより方角および距離を表示できます(左)iPhoneから見た置き場所が具体的に表示されます(中)近づくと距離が変化するので、見えない場所にあっても発見は容易です(右)
Appleのライセンスを受けたカード型トラッカーは、AirTagにおける「探す」ボタンの代わりに「経路」ボタンが表示されます(左)こちらは置き場所までのルート情報がマップアプリで表示されます(中)詳しい経路こそ表示可能ですが、数mの距離まで近づいたあと、AirTagのように具体的な向きや距離を知ることはできません(右)

もはや現代人の必須アイテムでは?

 以上のように、UWBが使えない点だけは気をつける必要がありますが、どこにでもスッと入れられるカード型で、なおかつ充電に対応していて長く使えるとなると、財布を始めとした持ち物の管理にはもってこいで、現代人の必須アイテムと言っても過言ではありません。

 実売価格もそれぞれ4000円弱と、AirTag(実売4980円)より安価なのも嬉しいところ。密かな人気製品ゆえどれも品薄傾向なのがネックですが、iPhoneユーザであれば誰でも使えますので(残念ながらAndroidは非対応です)、万一の財布の紛失や盗難に備えて、保険代わりに身に着けておいてはいかがでしょうか。

本家にあたるApple製AirTag(右)との比較。表面積だけで言えばAirTagのほうが圧倒的にコンパクトです
もっとも薄さ対決ではカード型トラッカーの圧勝。財布はもちろん社員証ホルダーに入れたり、ファイルに挟んだりと、AirTagでは難しかったアイテムも、容易に管理できるようになります