Appleの「AirTag」と言えば、さまざまな持ち物に取り付けることで、それらの置き場所をiPhoneから検索できるようにする製品です。持ち物の紛失や盗難を防止するという本来の用途に加え、最近は海外旅行でスーツケースの中に入れてカウンターで発見しやすくしたり、車に置いて駐車位置を探しやすくしたりと、用途は広がりつつあります。

 そんなAirTagは、厚みがあるため財布に入れられないのが難点ですが、最近ではAppleの正式なライセンスを受けた、AirTagと互換性のあるカード型の薄型トラッカーが、複数のメーカーから発売されています。これらはAirTagと同じく、iPhoneの「探す(Find My)」アプリを使って置き場所を探せることから、財布の紛失や盗難を防ぐのに重宝します。

 そんな「カード型AirTag」とも言えるこれらトラッカーは、いま第2世代とでも呼ぶべき製品が登場しつつあります。今回はそれらの製品が、第1世代にあたる従来モデルとは何が違うのか、また本家にあたるAirTagとの違いはどこにあるのか、2社の製品を比較しつつ紹介します。

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今回紹介するロジテックINAソリューションズ「LGT-LWCSTCW01DB」(上)と、MATECH「Smart Card Solar」(下)。いずれもAirTagと同様、iPhoneの「探す」アプリを使って持ち物の置き場所を探せるトラッカーです

第1世代のカード型は充電できず捨てるしかなかった

 いま続々と登場しつつあるこれら第2世代のカード型トラッカーの最大の特徴は、充電に対応していることです。第1世代にあたる従来のカード型トラッカーは、残量がなくなってしまうと本体ごと廃棄するしかなかったので、これは大きな進歩です。

 もちろん第1世代の製品も、買って数週間や数ヶ月で使えなくなるわけではなく、1年程度は持つとされていますが、バッテリーをなるべく長持ちさせたいがために、財布に入れてアラームを鳴らす実験をしたいのに「バッテリー寿命に影響するからやめとこうか…」と遠慮するようになってしまうのは、さすがに本末転倒です。

ロジテックINAソリューションズ「LGT-LWCSTCW01DB」。実売価格は3,980円
厚みは約1.7mm。財布やカード入れにも簡単に収納できます。IP68の防水防塵にも対応

 こうした欠点を解消し、バッテリーの充電を可能にしたのが、現在登場しつつある第2世代のカード型トラッカーの特徴です。バッテリーが減っても、廃棄することなく、充電して繰り返し使えますので、アラームを鳴らす実験も遠慮なく行えます。SDGsの観点からもベターな製品と言えるでしょう。

MagSafe充電器など、市販のQi互換の充電器を使うことで充電が行えます

 カードに内蔵されたバッテリーを充電する仕組みは、製品によって異なります。まず1製品目、ロジテックINAソリューションズの「LGT-LWCSTCW01DB」は、MagSafe充電器など、「Qi」規格に準拠したワイヤレス充電器を使って充電できることが特徴です。これならば、専用の充電器を買い足す必要もなく、またたとえ持っていなくとも、誰かから借りて使うのも簡単です。

 バッテリー容量は100mAhで、1回の充電で持つのは数ヶ月程度と、使い切りの第1世代に比べるとやや短めですが、約300回の繰り返し充電ができますので、理論上は100年以上使える計算になります。バッテリーが減ってくるとアプリが警告してくれるので、充電を忘れることもありません。