有力紙ワシントン・ポストも「検察側は先月、水原被告が少なくとも当初はドジャースのスター選手自身が賭けをする習慣があるのではないかとファンが疑うような状況を作り出し、大谷選手の評判を大きく傷つけたと主張した。マクナリー氏は『大谷選手はこの事件の被害者です』と記者会見で何度も主張した」と指摘している。
「目を疑う」大谷を傷つける根拠のない“陰謀論”
ABCニュースも「検察は、この計画は深刻かつ広範囲にわたる詐欺行為であり、大谷氏は水原氏の行為によって多大な損害を受けたと主張した」と述べている。
NBCニュースも「検察側は、当初から、このMLBのスーパースターは単なる被害者に過ぎず、野球に賭けたことなど一度もないと考えていることを明確にしてきた」としている。
米メディアがこぞって「大谷選手は被害者」と訴えたのは、当初、水原被告が、米スポーツメディアESPNに対して「大谷翔平選手が借金を肩代わりして、一緒に8回か9回送金した」などとウソをついていたことから、大谷選手も賭博スキャンダルに関与しているのではないかと疑いをかけられ、陰謀論が起きていたからだ。特に多かった「大谷選手が自身の銀行口座のお金がなくなっているのに気づかないのはおかしい」という見方はドジャースのお膝元のロサンゼルス・タイムズ紙もしていた。根拠のない陰謀論は、大谷選手を傷つけたことだろう。
しかし、大谷選手は今も傷つけられている。ESPNが“X”で水原被告の量刑を報じた投稿に対して寄せられたコメントを見ると、同被告に厳罰が下されたこの後に及んでさえも、目を疑うような憶測が多々上がっているのだ。
相変わらず、水原被告をスケープゴートとみる声は止んでいない。中には「誰もが彼はスケープゴートだと言っていた。今もそう思いますか?」という疑問を投げかけ、投票を募った者もいる。その結果は冗談ではないかと思うほど恐るべきものだ。“YES”と回答した人が56%と過半数もいたのである。
水原被告をスケープゴートと疑わない見方はデフォルトになってしまったのか?
「ミズハラは史上最大のスケープゴートだ」「まともな人間ならミズハラが犯人だとは思わないよ。ショーヘイは完全に有罪だ」「スケープゴートのミズハラが禁錮5年とはクレージーだ」「ミズハラはスケープゴートに違いない。1700万ドルも盗んだという罪なのに禁錮が5年くらいというのは納得できないよ」「スケープゴートになるとは(ミズハラはオオタニの)いい友達だ」
大谷選手が賭博をしていたとまで訴える声もある。