「テレビ局とか雑誌の取材とか、外部からのお客さんが来るときも、みなさん一生懸命やってくれました。眠れないときは、夜中でも起きて仕事するんですが、幸いなことに、ここの方は、呼べば深夜でも来てくださる。それが一番、ありがたいですね」

 日中は看護師さんが健康管理を担当。コールボタンを押せば昼夜、介護士さんが対応してくれる。

 実はご夫妻、9月にコロナにかかってしまったのだが、この高齢者施設の対応は素早かった。

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筒井さん「僕はそれほど高熱が出たこともないし、血圧もそんなに高くない。調子が悪かったという記憶もないんだけど、なんでコロナってわかったんだったかな?」

光子さん「少し咳が続いて、それから熱が出たんです。毎朝の検温でわかったのよね」

筒井さん「お医者さんが出張してくださって、この部屋で検査して。陽性だとわかった途端に、追い立てるように救急車で病院へ運ばれた。またあなたと引き離された。暗い病院で、嫌だったなあ。あなたもコロナだったけど、症状が出なかったから、入院せずにすんだんだよな。帰ってこられて、ほんとに嬉しかった」

 日々の健康チェックからホームドクターの往診、地域の病院と連携してのスムーズな入院まで、はからずも身をもって実体験することとなった。

高齢者施設の生活に向く人、向かない人

 高齢者施設での生活に向く人と向かない人がいるのかどうか、筒井さんの考えを聞いてみた。

「向き不向きはあるでしょうね。他の入居者と交流があるのは、食堂へ行くときぐらいですけどね。我々は夫婦で向かい合って食事を取れるけれど、お一人で入居されている人は、一人で食事をするか、誰かと向かい合うことになってしまう。一人を好む人はいいんでしょうけど」

 そこで、高齢者施設のほうでも、他の入居者との交流や心身のリフレッシュ、認知機能の維持 ・向上を目的として、リクリエーションのプログラムを設けていることが多い。

「ここでもやってます。歌ったり書道をしたり。僕は行ったことないけど、あなたは漢字テストを持って帰ってきて、僕に見せるじゃない」

 光子さんが見せてくださる「ことわざクイズ」はすべて花マルつきの満点ばかり!

「ちょっとヒントがあるんですよ」と笑う光子さん。参加したい人がそれぞれ、クイズ用紙をもらって、自分のペースでできるところがよいという。