今や著名なハッカーでありトロールでもあるアンドリュー・オーレンハイマー(weevという名で知られている)は、シエラに対する攻撃に深く関与し続けていたと思われるが、シエラは虐待を受けている妻であり、売春婦だったという誤った情報をオンライン上で拡散していた。
2009年に、weevはアマゾンのシステムをハッキングして侵入し、同性愛に関する書籍をポルノに分類し直したと主張した。かつてはオキュパイ運動の一員だったにもかかわらず、彼は今でも定期的に反ユダヤ主義と反同性愛の主張をYouTubeに投稿し、胸に鉤十字のタトゥーを入れ、自らをアメリカ・ゲイ・ニガー連合(Gay Nigger Association of America)という名のインターネット・トロール政府の大統領に任命している。アメリカ・ゲイ・ニガー連合は大衆的なブログやその他のメインストリームの活動に対立するもので、真正のインターネット・カルチャーを破壊し続ける思想である。状況がどのように進展したかについて、シエラは次のように語っている。
「わたしに起こったことは、今日ネット上でほかの女性たちに起こっていることに比べるとマシなものです……ものごとは徐々によくなるとわたしは思っていました。たいていの場合、それは悪化しただけでした」。
女性憎悪が蔓延するネットの海
数年前から、インターネット空間とそのコメント欄がショッキングなレベルの女性憎悪を発展させ続けてきたが、ウェブ上の過激な女性嫌悪主義者(ミソジニスト)の趨勢を解説した初期のもののひとつに、ヘレン・ルイスがニュー・ステイツマン誌(New Statesman)でフェミニストの書き手たちにインタビューしたものがある。
ルイスはフェミニストたちが経験したことに光を当てた。フェミニストのブロガーでアクティビストであるキャス・エリオットは次のように書いている。
2007年に戻って私がウェブに書きはじめたときから受け続けた数々の悪態は、もしわたしが帳簿をつけ続けていたとすれば、今では数え切れないものとなっていたことでしょう。悪態と言っても、わたしが書いたものに同意しないコメントのことではありません――わたしは労働組合運動を経て、男子刑務所で働いていたこともあるので、ちょっとした冗談や激しい議論に耐えられないような繊細な女ではありません――そうではなく、それらは個人的で、たいていの場合、性的な悪態であり、わたしがやっていることに価値があるのだろうかと自問し立ち止まって考えさせるようなものでした。(中略)わたしはどうやら、男性がレイプしたいと思うにはあまりにも醜いらしく、ある道具をどうのように私のさまざまな開口部に押し込むべきかを正確に説明する生々しい描写を読みました。
