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うまくやれば座って通勤も? 中央線の底力

 中央線快速の混雑率は中野~新宿間でワースト6の187%。これだけを見れば、「いくらなんでもヤバイじゃないか」と思うかもしれない。しかし、この区間を走っているのは中央線快速だけではない。中央・総武線各駅停車が三鷹から都心に並走しているし、中野駅からは東京メトロ東西線も都心に乗り入れる。この3路線の混雑率を改めて見てみよう。

 中央線快速 中野~新宿 187%

 中央・総武線各駅停車 代々木~千駄ヶ谷 93%

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 東京メトロ東西線 高田馬場~早稲田 126%

©iStock.com

 いかがだろうか。中央線快速こそ絶望的な混雑だが、各駅停車に至っては100%を下回っているのだ。この混雑率はそれぞれの路線での最混雑率区間。つまり、各駅停車の三鷹~代々木間なら93%以下であるということ。特に各駅停車は三鷹駅始発だから、うまくすれば座って通勤することも可能なのだ。くわえて、通勤時間帯は3本に1本が地下鉄東西線直通と利便性は◎。新宿までの所要時間は、各駅停車と快速で2~4分程度しか変わらない(20~24分)。

 

満員電車は鉄道会社のせいじゃない

 中央線沿線の東京西部といえば、「混みまくり」「電車が遅れまくり」というイメージが先行しているが、実際には座って通勤するチャンスがある数少ない沿線ということ。ちなみに、山手線駅からの終電が最も遅い路線もこの中央線で1時1分三鷹行だ。少しでも満員電車を回避したいと思うなら、中央線沿線は実は狙いめなのである。

 なお、最近やたらと満員電車が問題視されているが、そもそも長い目で見れば混雑率は減少傾向にある。1975年の東京圏の最混雑区間の平均混雑率はなんと221%もあるが、今では165%まで軽減されている。これは鉄道各社の輸送力増強策のおかげ。輸送力は1975年と比べて実に1.6倍にもアップしているのだ。決して「満員電車は鉄道会社の怠慢」などではないことを最後に強調しておきたい。