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「なかなかそうもいかないでしょう」の謎

 最近だと安倍首相と加計学園理事長・加計孝太郎氏の面会が報道されたあとに、あれは渡辺事務局長が愛媛県に2人が会ったという虚偽の情報を伝えたという仰天の言い訳、いや、訂正がなされた。

 今回の「もう勘弁して」報道、もう一度記事を抜粋してみよう。

《河村氏によると、首相は延長国会について「もう集中審議は勘弁してほしい」と言及。河村氏は「なかなかそうもいかないでしょう」と応じたという。》(朝日 6月21日)

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©共同通信社

 そう、河村氏は自分が発した言葉も披露していたのである。

 首相の発言がなかったのなら、河村氏が返した言葉は何だったのだろう。会話はなんだったのだろう。河村氏は加計学園の渡辺事務局長のように「その場の雰囲気」で嘘を言ってしまったのだろうか。

小さなことまですべて修正

 首相のマイナスになりそうな言葉や事実はすぐに訂正、否定されることが続く。本当に不思議だ。

 サッカーでオウンゴールは屈辱的だが、でも「なかった」と取り消すわけにはいかない。しかし政界ではオウンゴールがどんどん修正される。

©iStock.com

 ハッキリ言って「もう勘弁して」発言は実際にあったとしても重大事ではない。小さなことだ。しかしこんな小さなことまでいちいち「なかった」ことになると、「大きな事実」に対しての態度もついつい想像してしまうではないか。小ネタはすべて大ネタにつながっているのだ。

 そう考えると東京新聞が書いた「ステーキ店でレア発言?」は確かにレアだったのである。