好きな人と好きな時間に「酔いを愉しむ」

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房総半島の森に囲まれたmitosaya薬草園蒸留所では素材を生かしたボタニカルな蒸留酒を200種類以上造ってきた。個性豊かなクラフト・ドリンクが増える今、その愉しみ方も広がっている。

林檎、さつまいもなど、多彩な蒸留酒が蒸留所に並ぶ

alcohol|人と自然をつなぐ、蒸留酒造り

 mitosaya蒸留所代表の江口宏志(ひろし)さんはもともと東京で書店を営んでいたが、20年が経つ頃には「自然の中で物を作りたい」と思うようになっていた。そんなとき飲んだボタニカル・ジンに衝撃を受ける。実際の果物より凝縮された香りと鮮烈な味は、「お酒で初めてだった」と言う。これを造った蒸留家クリストフ・ケラー氏のもと、ドイツで蒸留を学んだ。帰国して、2019年からはmitosaya薬草園蒸留所で、千葉の果樹からブランデーを、大麦からウイスキーを造る。度数の高い蒸留酒の蓋を開けると、香水のように華やかな香りが鼻に飛び込んでくる。素材のふくよかさが口に広がり、その余韻は長い。これまでにない愉悦のひとときだ。

千葉県大多喜町のmitosaya薬草園蒸留所入口

ガラスの温室で話す江口さん。もともと千葉の公営薬草園だった場所を、果樹など植物を育てる薬草園と蒸留所に変えた

ドイツ製の銅製蒸留器

銅製蒸留器を使って、大麦からウイスキーを造るための糖化作業を行う

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source : 文藝春秋 2026年2月号

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