日本共産党の書記局長、委員長、議長を歴任した不破哲三氏(本名・上田建二郎、1930年1月26日生まれ)が、2025年12月30日に亡くなった。95歳だった。評者は高校生時代から不破氏の著作を30冊以上、熟読し、実兄の上田耕一郎氏(1927年3月9日~2008年10月30日、元日本共産党副委員長)との共著(ただし、著者名には上田氏の名前のみが記されている)『戦後革命論争史』(大月書店、上巻1956年、下巻1957年)から最も影響を受けた。共産党と歴史的に激しく対立してきた労農派(合法マルクス主義者、戦後は社会党左派の理論的支柱になる)に対しても、党派的断罪を行わず、テキストの内容を正確に読み解き、知的に誠実な評価に努めている。上田氏、不破氏は柔軟な知性を持った優れた知識人だ。もっとも上田氏も不破氏も、共産党内で論ずるべき問題を外部で論じたことは深刻な誤りであると自己批判し、この本を絶版にしてしまった。また不破氏は、1950年代に共産党が所感派と国際派(不破氏は国際派に属した)に分裂した際に、スパイ容疑でひどいリンチを受けている。この点については、安東仁兵衛氏が『戦後日本共産党私記』(文春文庫、1995年)に詳しい証言を残している。こうした共産党の体質について、不破氏が沈黙したままこの世を去ってしまったことがとても残念だ。
「柔軟路線」をリード
不破氏の果たした意義について朝日新聞はこんな論評をした。
〈党勢拡大や無党派層の取り込みを目指して、「柔軟路線」をリードした。一九九八年には、文化大革命以来断絶していた中国共産党との関係を三二年ぶりに正常化。〇〇年には党規約から「前衛政党」「社会主義革命」などの言葉を削除し、「革命政党」から「国民政党」へのイメージチェンジを図ろうと取り組んだ〉(朝日新聞デジタル、2025年12月30日)
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