内田裕也、ザ・デストロイヤー、花柳幻舟、笑福亭松之助、アンドレ・プレヴィン

蓋棺録

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 歌手で俳優の内田裕也(うちだゆうや)(本名・雄也)は、日本におけるロックンローラーの草分けとして存在感を示し続けた。

 1973(昭和48)年9月25日の夕刻、内田と悠木千帆(後に樹木希林)の婚約記者会見が六本木で開かれていた。悠木が饒舌だったのに対し、内田はいつになく緊張した面持ちだった。このとき2人とも2度目の結婚で、「絶対に離婚なんかしないわよ」という悠木の言葉を信じた記者はいなかった。

 39年、兵庫県西宮市に生まれる。中学時代は生徒会副会長を務めるなど優等生だったが、大阪府立旭高校2年のときプレスリーに憧れ、「中退してロックンロールライフに入ってしまった」。

 59年からロック歌手として活躍し始め、66年、ビートルズが来日したとき、尾藤イサオとツインボーカルで前座を務める。「冷や汗ものだったが、世の中が変わる象徴のように思えて、自分の実力も忘れ素直に喜んだ」。

 やがて始まったグループ・サウンズ時代には、ロックの大御所としてプロデューサーを務める。最大の収穫は、「ファニーズ」と名乗っていた沢田研二たちを上京させ、「内田裕也とザ・タイガース」としてデビューさせたことだった。

 70年代には活動を海外に広げ、ニューヨークでジョン・レノンと対談した。妻のオノ・ヨーコとも親しくなり「絶交状態」があったものの、娘や妻を介して付き合いは続いた。ミック・ジャガーにも会って来日公演が決まったが、招致直前で中止になる。

 映画出演は60年代からすでに始まっていた。77年公開の曽根中生監督『不連続殺人事件』で本格化して、82年の若松孝二監督『水のないプール』、83年の崔洋一監督『十階のモスキート』が評価され、「80年代映画の牽引役」と言われた。

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source : 文藝春秋 2019年5月号

genre : エンタメ 芸能