常に最高傑作を生み続ける「100年に1人」の天才仏師
鎌倉時代の名高い仏師、運慶・快慶の流れを汲む大仏師・松本明慶(77)。松本が手掛ける仏像の表情や流れるような衣紋の質感はあまりに繊細で、今にも動き出しそうだ。
「彫る前の木を見れば、中にどんな仏さまが住んでいるのかわかります。その声に従って不必要な部分を取り除くと、自然と魂の宿る仏像が生まれてくるんです」
高校時代、弟を襲った突然の死をきっかけに、仏像制作の道に。以来六十余年、休むことなく一心に仏を彫り続けてきた。
「これまでの作品にも愛着はありますが、常に、新しく完成するものを一番の傑作にしようと思っています。理想は、汚れや欲にとらわれない赤ちゃんの姿。伝統に縛られることなく、そういう仏像を作っていきたい」
ほら、この仏さま、いま微笑んだでしょう――。そう語る松本の眼は、赤子のように透き通っていた。
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source : 文藝春秋 2023年5月号