【こ】「恋」の授業を聞く学生の反応にも変化が

日本語探偵

飯間 浩明 『三省堂国語辞典』編集委員
ニュース 社会 教育

国語辞典編纂者の飯間浩明さんが“日本語のフシギ”を解き明かしていくコラムです

 大学で、主に外国人留学生を相手に日本語を考える授業を持っています。いつも初回の授業では「恋」について話します。ただし、私のことですから、「恋」ということばについてなのですが。

「恋」はすでに奈良時代の文献に見えることばで、日本語としては古参の部類に入ります。これを『広辞苑』はどう説明しているか。解説の冒頭を学生に示すと、みな意外そうな表情を見せます。

〈一緒に生活できない人や亡くなった人に強くひかれて、切なく思うこと。また、そのこころ〉(下略。第7版)

 えっ、「恋」は love じゃなかったのか。そう、『広辞苑』によると、完全にイコールではないんですね。

『広辞苑』は古い意味を最初に書く方針を採っている辞書です。大昔の「恋」の意味はこうだったのです。今でも「亡き母を恋う」と言います。古い「恋」の意味がここに残っています。

 では、私の携わる『三省堂国語辞典』(三国〔さんこく〕)はどうか。2008年刊行の第6版ではこう説明していました。

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source : 文藝春秋 2023年7月号

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