山口 瞳が好んだ島根・松江「皆美館」の鯛めし

作家が愛した名店 第11回

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不昧公(ふまいこう)好み・家伝「鯛めし」

鯛めし御膳は館内の「庭園茶寮 みな美」で、日帰りでも食べることができる(2,500円〜税サ別)。オンラインでお取り寄せも可能(1人前セット2,160円税込)

山口瞳 Ⓒ文藝春秋

〈「築地の吉兆ね、あそこへ行ったとして、目の前に大きな湖が開けていて、一階に温泉大浴場があったらどうする? 皆美館って、そういうところだよ」〉(『行きつけの店』新潮文庫)

 美酒と美食をこよなく愛した山口は、宍道湖畔に佇む老舗宿「皆美館」をこう評した。とりわけ、皆美館の調理場だけに代々伝わる「鯛めし」を好み、〈「名物にうまいもの無し」の例外中の例外〉と大絶賛。

 家伝料理の「鯛めし」は、ご飯の上にそぼろ状の鯛、卵、大根おろし、海苔、ねぎ、わさびを乗せ、かつおベースの秘伝の出汁をたっぷりかけていただく一品。

「お泊まりの際は、毎朝召し上がっていたようです。あっさりとして体にやさしい味なので、お酒好きの先生にはちょうどよかったのかもしれません」(五代目女将・皆美佳子さん)

1888年の創業以来、文人墨客に愛された。島崎藤村が宿泊した「藤村の間」は、できるだけ当時のまま残してある。白砂青松の庭園を擁し、山口も「『コトゴトクイイ!』ト言ワザルヲエナイ」と色紙に残す名宿

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source : 文藝春秋 2024年4月号

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