信州に根を下ろした水上は70歳で心筋梗塞に倒れた後、軽井沢の別荘を売り払い、東御の山居で晩年を過ごした。
〈信州上田のかたなやのそばは、さて女でいえば、古女房ともいえる味の方だが、つまりここはなかなかかわらない〉(『そばと私』文春文庫)
軽井沢の別荘へは土産用も頼み、サービスの青首大根が〈涙が出る程うれしい〉と記した。二代目高桑功さん(84)の話。
「先生が青首大根と仰ったのはたぶん支那大根。秋冬名物の青くて甘い大根です。一年中お客さんに食べてもらおうと春に種を蒔き大失敗したことも(笑)」
現在は娘の由吏さん、南さん夫婦を中心に切り盛りする。堅めのそば、枯節を丁寧に仕込んだシンプルなつゆ、店の佇まい、家族経営の温かみ、すべてが水上好みだったのも頷ける。
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source : 文藝春秋 2024年2月号