サッカー日本代表・堂安律も新成人
今年の新成人が生まれた1998年といえば、サッカー日本代表が初めてFIFAワールドカップの本大会(フランス大会)に出場した年である。現在、サッカー界ではその年に生まれた選手がU-21の中核となり、来年の東京五輪でも活躍が期待されている。その筆頭が現在アジアカップを戦う日本代表のエースとして期待される堂安律(オランダ・フローニンゲン)だろう。さらに同じくフル代表入りした冨安健洋(ベルギー・シントトロイデン)も1998年生まれ。また昨年のジャカルタでのアジア大会に臨んだU-21代表では、原輝綺(アルビレックス新潟)、杉岡大暉(湘南ベルマーレ)、岩崎悠人(京都サンガF.C.。昨年12月にコンサドーレ札幌に移籍)、渡辺皓太(東京ヴェルディ)、上田綺世(法政大)らが活躍している。
プロ野球選手では、米マリナーズに移籍した菊池雄星に代わる埼玉西武のエースとして期待される今井達也、同じく2016年のドラフト1位である藤平尚真(東北楽天)、寺島成輝(東京ヤクルト)、堀瑞輝(北海道日本ハム)らが新成人にあたる。余談ながら、ここにあげたうち2人の名前に「輝」の字がつくが、生まれた当時に流行っていたのだろう。1998年生まれの男の子の名前ランキング(明治安田生命調べ)の1位も「大輝」で、やはり「輝」が入る(ついでにいえば同年の女の子の1位は「萌」だった)。
女流棋士を卒業する竹俣紅
勝負の世界ではまた、囲碁の四段の藤沢里菜、将棋の女流初段の竹俣紅も新成人だ。昨年12月、3度目となる女流本因坊に返り咲いた藤沢は、女流の年間最多勝記録(43勝)も更新した。彼女がプロ棋士となった11歳6ヵ月は史上最年少記録だったが、今年4月1日には仲邑菫さんが10歳0ヵ月でプロ入りすることが決まっている。この発表を受けて、藤沢は《私たち棋士にとって、刺激になります》と語った(「産経ニュース」2019年1月5日)。
一方、タレントとしても活動する竹俣は昨年12月、日本将棋連盟に退会届を提出し、今年度末で女流棋士を卒業することを決めた。12月10日付のブログでは、《好きなことを職業にする生き方ももちろん良いと思いますが、大学に入って、世の中にあるさまざまな価値観に触れたことで、そうではない生き方をしてみたいと思うようになり、将来は別の職業に就きたいと考えるようになりました。学生である今は、学業を中心に、いろいろなお仕事を経験させていただくことで、新しい職を見つけられたらと思っております》と、新たな道に進むことを明かしている。
ここまであげたのは、若くして注目を集めた人たちである。このほかにも、いまは日の目を見なくても、将来に向けて日々努力を重ねている人がきっと各方面にいることだろう。そんな人々も含めて、今年の新成人にあらためて祝福と激励の言葉を贈りたい。