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加熱式タバコなら「受動喫煙」の心配ない?

 さらに、タバコには吸う人の吐く煙で、吸わない人に悪影響を与える「受動喫煙」の問題もあります。厚労省の同じ報告書によると、前出の「レベル1」と判定された受動喫煙によって起こる疾患として、成人では「肺がん」「虚血性心疾患」「脳卒中」、「臭気・不快感および鼻の刺激感」、また、小児への影響として「喘息の既往」および「乳幼児突然死症候群」があげられています。

 近年、火をつけない「加熱式タバコ」が、煙が出ないので迷惑をかけにくいなどとして、使う人が増えています。これなら自身への健康への悪影響は少なく、家族への受動喫煙も心配ないと思っている人が多いかもしれません。

 しかし、医師をはじめとする専門家は、「加熱式タバコで喫煙者が吸うエアロゾルにはニコチンをはじめ各種の発がん物質など有害物質が含まれている」「ニコチンはごく少量でも健康に悪影響を与え、その量と病気のリスクは正比例しない」などと警鐘を鳴らしています。 

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 そもそも、本当に健康に悪影響がないかどうかは、長い年月をかけて検証しなければ科学的にはわかりません。ですから、加熱式タバコについても、自身や家族への悪影響を甘くみないほうがいいでしょう(参考:「非燃焼・加熱式タバコや電子式タバコに関する日本呼吸器学会の見解」など)。

1カ月禁煙しないと手術しない病院も

 タバコの悪影響はこれにとどまりません。実は、がんなどになって手術を受ける必要が出てきたとき、術後に起こる脳梗塞や肺炎など重い合併症のリスクが高くなるのです(日本禁煙推進医師歯科医師連盟/手術患者と喫煙)。

 ある大学病院では、肺炎の合併症を起こしやすい食道がんの手術をする患者に対して、「術前に1カ月禁煙するという約束を守らないと手術はしない」と取り決めているほどです。

 以上、タバコが健康に及ぼす主な悪影響をまとめてみました。もちろん、タバコを吸ったからといって、全員ががんや心筋梗塞、脳卒中になるわけではありません。なかには平均寿命より長生きする人もいます。ですが、医学的に見れば、タバコを吸うことは健康面で明らかに「損」だと言えるのではないでしょうか。

©iStock.com

タバコを吸っていた私が禁煙した結果

 それに、私も20年ほど前(30代前半)までタバコを吸っていましたが、やめてみるといかに吸わない人に迷惑をかけていたか、痛感するようになりました。たまに家族で近所の居酒屋に行くこともあるのですが、隣の席でタバコを吸われると食事がまずくなりますし、「未成年がいるのに…」と本当に嫌な気持ちになります。「未成年を連れて居酒屋に行く方が悪い」と言われたらそれまでですが、子どもだって焼き鳥を食べたいのです。

 また、大吉さんだけでなく、芸能界には喫煙者が多いことも気になります。芸能人が人間ドックを受けたり、お手軽な健康法を試したりする番組が人気ですが、そんなことより「禁煙チャレンジ」をしてもらったほうが、よっぽど本人のためであり、人びとのお手本にもなるのではないでしょうか。

 わたしは華丸・大吉さんの軽妙なやり取りや博多弁の漫才も大好きです。長く元気に活躍してほしいので、この際、大吉さんにもぜひ「禁煙チャレンジ」をしていただきたいと願っています。