人気漫才コンビ博多華丸・大吉の博多大吉さん(47)がバラエティー番組「教えてもらう前と後2時間SP」(TBS系で1月8日放送)で昨年末に人間ドックを受け、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と診断されたそうです。さらに、20歳のときから27年間にわたって1日20本のタバコを吸い続けている大吉さんは、なんと肺年齢「69歳」と判定されてしまったのです。
COPDは主に、長年タバコを吸い続けることによって起こる病気です。気管支に炎症が起こって空気の通り道が狭くなるうえ、肺の中で酸素を採り入れ、二酸化炭素を放出する役割をする「肺胞」が潰れてしまう「肺気腫」が起こります。
症状が進むと慢性的にせきが出て痰がからみ、階段を上るときに呼吸が苦しくなったり、ぜんそくのような発作が起こったりします。鼻に入れたチューブから酸素を吸入する「在宅酸素療法」を行うことで呼吸困難を和らげることができますが、治療をしても肺が元の状態に戻ることはありません。
落語家の桂歌丸さんも COPDは男性の死亡原因第7位
昨年、惜しまれながらなくなった落語家の桂歌丸さんもCOPDでした。鼻にチューブをつけながら高座に上がっていた晩年の姿をテレビで見た人も多いのではないでしょうか。歌丸さんのCOPDも、長年吸い続けたタバコが原因だと言われています。
COPDは喫煙者の15~20%が発症し、男性の死亡原因の第7位にもなっています。大吉さんの病状はまだ軽いかもしれませんが、喫煙者を最後に苦しめる、とても苦しく重い病気なのです(参考:日本呼吸器学会/呼吸器の病気/慢性閉塞性肺疾患(COPD))。
よく知られているように、タバコはCOPDだけでなく、肺がんの原因にもなります。これまでの研究成果を総合して解析した結果、タバコを吸う人は吸わない人に比べて、肺がんになるリスクが男性で4.4倍、女性で2.8倍となっています(国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ/喫煙と肺がんリスク)。
このように、タバコは肺(呼吸器)に悪影響を及ぼします。そのことは、みなさんもよくご存知だと思いますが、では、肺以外の多くの病気にも関連していることは知っていたでしょうか。