今、世界のゲームの中心はPCにある
今、世界のゲームの中心はPCにあります。したがってeスポーツタイトルもPCゲームが中心となってしまいます。対して、日本はPCでゲームをするという習慣がほとんどありません。これはコンシューマ機で遊ぶ割合が他国に比べて格段に高く、ゲームは専用機で遊ぶものと考えられているからです。
ただ、世界各国でみるとコンシューマ機は高価で手を出しにくく、わざわざ購入しなければ手に入れられないので、国によっては普及していないところも多くなっています。PCであれば他の用途もあり、自分で購入しなくてもすでに家にある場合や学校などでも触れる機会があるため、ゲーム専用機よりも身近だったりします。
したがって、世界で人気の高い『LoL』や『Dota2』がプレイする環境がないが為に、日本での人気に火が付いていません。つまり、日本と世界ではゲームを遊ぶ環境が違っているところから、eスポーツでも人気タイトルに違いが生じてしまっているというわけです。
ゲーム販売だけを考えれば、世界を目指す必要はないが……
日本はゲーム市場としては大きい方なので、ゲームを販売することを考えれば、国内だけでなんとかなってしまいます。リアルスポーツでも、世界を目指すのが当たり前となっているサッカーやテニスなどもあれば、国内での活躍がメインとなる大相撲や駅伝などもあるので、eスポーツがグローバルタイトルである必要はありません。
それでも、国産タイトルが国際大会でプレイされることや、グローバルなプレイ人口を獲得することには、国内のみでの展開よりさまざまな利点があります。
プレイ人口が増えることの利点
たとえば、プレイ人口が多く、そのプレイを観るオーディエンスの数が増えれば、それだけ大きなお金が動くことにもなります。
日本発のゲームでは、昨年、『シャドウバース』の世界大会が開催され、優勝賞金100万ドルの大会として注目されました。これはリアルスポーツの賞金額と比べてもかなり高額ですが、より大きな規模のeスポーツの大会であれば、その数十倍の賞金が出たり、100万ドルクラスの大会が年に数十回行われたり、選手の稼ぐ手段が格段にアップするわけです。
選手の収入の安定はプレイヤーがプロ選手を目指すきっかけとなり、プレイ人口の増加にも繋がります。そして選手層が厚くなると、スタープレイヤーが生まれやすくなり、スタープレイヤーが登場するとファンの数も拡大していくわけです。
そして、プレイヤーの数が増えれば当然、そのタイトルのゲームも売れるようになります。つまりeスポーツで国産タイトルが売れることで、日本のゲーム業界の復活の足がかりになる可能性があるのです。