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「ネット圏外」の絶大な支持を集めていた!
全国のおじちゃん、おばちゃんのもとへ行き、絶大な可愛がられ方をしていた。ご当地の方言を入れたり名産物を褒めたりし、仕上げは自民党へのツッコミ。ツッコまれる前に自分でツッコむ。父親から受け継いだ伝統芸で好感度を上げていた。
小泉進次郎は「ネット圏外」の絶大な支持を集めていたのだ。党務では地味な“ぞうきんがけ”をやって周囲の嫉妬も回避しているようにみえた。万事そつがない。
「ほんとうは怖い小泉進次郎説」
ただ「政策」があまりみえてこなかった。人口減少問題については熱く語るが爽やかというイメージが先行していた。このまますんなり権力を手にし、とてつもない政策を言い始めたら止められなくなるのではないか?
「ほんとうは怖い小泉進次郎説」である。
数年前からそう考えていたら、具体的に検証した人がいた。
政治学者・中島岳志は近著『自民党 価値とリスクのマトリクス』で小泉進次郎について次のように書いている。
《これほど注目されるホープでありながら、どのような考え方の政治家なのかは、国民にあまりよく知られていません。》
《それもそのはず。小泉さんは、自らの考えをまとめた書籍を一冊も出版していません。》
私が注目したのは次のくだり。
《彼の特徴は、歴史認識や選択的夫婦別姓問題などについて、極力、明言を避けている点です。》
たしかに、《もっぱら社会保障や農政の構造改革に向けられており、価値の問題に積極的な関心を示していない》のが進次郎の特徴だと気づく。