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朴槿恵「告げ口外交」の再来

 慰安婦問題の時と同じく、韓国は日本の放射能問題を国際社会に訴え、拡散しようとしている。韓国外務省は「国際機関や被害を受ける可能性がある国との緊密な協力」を方針に掲げている。早い話が、慰安婦問題で見せた「告げ口外交」の再来である。

 東京都で8月20日に行われた東京五輪の選手団団長セミナーでは、韓国オリンピック委員会代表者が、福島産の食材の安全性について懸念を表明。関連会議に先立ち、韓国は東京大会組織委員会に、福島第1原発事故の影響を念頭に、食の安全や選手の健康を懸念する事前通知を送付した。そこには、「選手村の建築木材に放射能汚染の影響はないのか」などの内容が盛り込まれていたという。

8月14日、ソウル市中心部に設置された慰安婦像と元慰安婦(右)©共同通信社

 韓国は、他国のオリンピック委員会に対しても、放射能汚染に伴う食の安全性への懸念などについて、賛同を求めたが、支持は広がらなかった。韓国は国際オリンピック委員会(IOC)に対して、客観的かつ専門的な国際機関に依頼し、放射能の安全性に対する信頼できる情報を提供するよう求めるつもりだったというが、今回はそのもくろみは頓挫した。

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 ただ、この程度で諦めないのが韓国だ。文大統領は、東京五輪に北朝鮮と共に参加し、朝鮮半島の平和をアピールしたいようだ。その一方で、五輪閉幕まで、日本へ「放射能カード」を切り続ける可能性は否定できない。

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