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日経平均2万円超えと「日銀介入」の“反動”

アベノミクスの「新しい主体」とは何か

2017/05/22

歪みが大きければ大きいほどその反動は大きくなる

 その新しい主体とは、日銀である。

 先にあげたアベノミクス最大の構成要素である日銀が主体となり、それも主役級の存在となったのだ。それで「株価の動きが変だ」という違和感がマーケットにある。

 日銀は年間6兆円ペースでETF(上場投資信託)を買っている。2016年末時点ではETFの約7割を日銀が保有している。「物価上昇率2%を達成する目標の一環」として株式市場に介入を続けているのだ。

 また日銀は約400兆円の国債も保有している。政府債務残高は約1000兆円だから約4割の国債を保有していることになる。

 金融市場とは情報の処理の場だ。

 あらゆる情報が“売り”“買い”という行動となって“価格”という一点で処理される。そこに中央銀行が介入するとどんなことになるか? 

 様々な試算はあるが日経平均は日銀の介入によって2000~3000円かさ上げされていると言われる。私の感覚では、あるべき日経平均の水準は1万5000円前後だから、試算の下限と合致する。

 市場は人為で歪められると必ず歪みを修正しようとする。歪みが大きければ大きいほどその修正(=反動)は大きくなる。これは人知を超えた真理だと、株式市場で30年戦って来た者の言葉として認識して貰いたい。

 金利にしろ株価にしろ、投資環境はかつてないほどのリスクに、日銀によってさらされているのだ。

 相場操縦はどんな存在にも許されない。「出来る」と日銀が高を括っているなら……とんでもないことになることを警鐘として主張しておきたい。

日銀の黒田総裁 ©getty

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