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 また、地震大国として知られる日本だが、地震メカニズムの解明にも深海研究が重要な意味合いを持っているという。3.11の発生直後から、JAMSTECは精力的な調査活動を行っている。中でも、世界最新鋭の地球深部探査船「ちきゅう」は、水深約7000メートルの海底を約850メートル掘り下げるという過去に例のない調査を実施した。

「私自身は“生物屋”ですけれど、JFAST(Japan Trench Fast Drilling Project=東北地方太平洋沖地震調査掘削プロジェクト)の成果は目覚しいものがありましたね。まさに世界に誇るもの。海底を掘り抜いて地層サンプルを回収して、そこに地震による摩擦熱を計測するための温度計まで設置した。『まさにここがすべった断層に間違いない』という特定まで行っているのです。これからの減災や地震予知といった分野では、世界中の研究者から参照されるデータになるのではないでしょうか」(倉持博士)

「ちきゅう」(左)と有人潜水調査船「しんかい6500」(右)の模型も ©文藝春秋

 今回の展示では、深海で掘削された地質試料(コア試料)や使用されたドリルパイプの実物が初公開されている。

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「私が感動したのは、東日本大震災の翌日には、小笠原諸島周辺でまったく違う任務に就いていた深海調査研究船を大急ぎで東北沖に派遣させたことです。突発的に起きた大規模災害でしたが、急遽世界中から地震や海底地形の研究者を集めて、国際プロジェクトとして『ちきゅう』を送り込んだのです」(同前)

 新たなブームの到来を予感させる特別展「深海2017」は、10月1日まで国立科学博物館にて開催されている。