「今年の新卒採用はいったん中止しましたが、専門学校生など既に内定を出しているものは取り消しません。また、今後の航空業界の命運を左右するIT人材に限っては、こういう時こそいい人材が取れるはずなので、秋には新卒採用を実施してもいいと思っています。
ANAやJALは世界的に見ても、非常に優れたシステムを持っており、ANA傘下のスターフライヤー、ソラシドエア、エア・ドゥはANAのシステムを使っています。スカイマークは独立系の航空会社ですから、基本的に自社ベースで作っているので、それを担ってくれる人材は是非欲しい」
「需要が供給を上回る時が必ず来る」
なぜ、コロナ禍のなかで「攻め」の姿勢を保ち続けていられるのか。M&Aが専門でもある佐山氏は、「今後1年以内に、航空業界の世界地図はガラリと変わる」と見る。
「今は航空需要が激減し、世界の航空会社は大規模なリストラと、飛行機の売却で赤字を抑えようと必死です。当然、世界的な供給はじわじわと減って行きます。でも需要はコロナが落ち着けば再び増えていくはずですから、再び需要が供給を上回る時が必ず来るはずです。その時にシェアを大きく伸ばすのは、コロナ禍を辛抱して、航空機も人員も減らさずに乗り切った日本の航空会社でしょう。その時こそ、航空業界の地図が変わる時です」
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佐山氏が語った「文藝春秋」8月号および「文藝春秋 電子版」のインタビュー「『政府支援』を航空業界に」では、「JALとANAは統合すべきか否か」、「世界の航空業界と各国政府の支援の在り方」、そして「投資のプロとして、ウォーレン・バフェット氏の航空関連株売却をどう見たか」などについて詳細に語っている。
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「政府支援」をANA・JALに