Q どうすれば、人と違う言葉を生み出せるようになるのでしょうか。
ライターを目指しています。上司に企画書を出しても、「人の物真似だ」、「心に響かない」と言われて採用されません。読書は好きですが、まだまだ人生経験の少ない私です。どうすれば、人と違う言葉を生み出せるようになるのでしょうか?
(広告代理店・女性・25歳)
A 体験の中で感じたいろんな思いを、自分の器の中に放り込んで、ぐつぐつと煮込んでみよう。
想像力豊かな天才ならともかく、俺たち凡人がオリジナルの言葉を持つには、やっぱり外に出かけて、多くのことを経験するしかないと思うよ。
本を読むことは良いことだけど、行ったことのない国の本を読んでも、したことのない恋愛の小説を読んでも、あまり共感できないよね。そこで得た知識をそのまま出しても他人の言葉をコピペしただけになっちゃう。
やっぱり、本の言葉と実際の体験がリンクして、「わかるわかる」と頷いたときに、はじめて自分の言葉が生まれるんじゃないかな。
べつに特別なことをしろってことじゃないんだ。いつもと少しだけ違うことでいい。真面目な人は夜の街で遊んでみるとか、土日はスマホを見ないとか、知らない人に会ってみるとか、旅に出るとか、副業するとかね。身近なことでいいから、初めてのことをいろいろとやってみよう。
なるべく今の自分から縁遠い体験を
「人がやってないこと」を見つけるのは難しい。けど、「自分のやってないこと」なら、誰でも簡単に見つけられるよね。
今まで苦手だと避けていた所へ行ってみるのもいいかもね。田舎もんなら都会へ、金持ちなら途上国へ、アニオタならリアルへ、商売人ならボランティアへ。
違う場所での体験が増えてくると、一見関係なく見える出来事でも、その一つ一つの点が線で繋がりだす。そして、線で囲まれた面の広さが、あなたの心の器(うつわ)の大きさになってくる。だから、なるべく今の自分から縁遠い体験をつないだほうが、大きな器ができる気がする。
そして、その体験の中で感じたいろんな思いを、自分の器の中に放り込んで、ぐつぐつと煮込んでみよう。きっと、あなたのオリジナルブレンドの言葉ができてくると思うよ。
べつに放り込むのは、楽しいことだけじゃなくていいんだ。辛かった思いや、人への恨み妬みでもいい。
悲しみは、そのまま出せば苦くて食えたもんじゃないけど、じっくりと寝かせて熟成させれば、味わい深い酒になることもあるからね。