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ふんだりけったりの日本を舞台にした理想像

 この20年間で2002年のSARS、2012年のMERS、今回のCOVID-19と、3つの新型コロナウイルスが猛威を振るったことから20年内にまた似たことがおきるだろうという前提で書かれています。そこで10年後にも再びパンデミックが発生し、おまけに天災もあり、ふんだりけったりの日本が舞台です。ざっと以下に書かれたことが実現できる国家像を目指すとしています。

●(理想像)緊急事態システムの発動
・2030年3月、COVID-30の国内感染拡大とともに緊急事態システムが即時稼働し、医療体制の拡大、医療資材の緊急増産、ワクチン/特効薬の開発等の特別プロジェクトが立ち上がる。
・検査数/感染者数はマイナンバーで、濃厚接触はスマホで、個人情報保護を維持しながら管理されている。
・医療現場では潜在資格者の現場復帰が進み、混乱する医療現場を支えている。
・工場の国内回帰が進み、物資不足は最低限に抑えられている。

●(理想像)COVID-30時の国民生活
・国民は、急遽「巣籠り生活」に入り、飲食店や観光業などは休業・廃業が相次ぐが、従業員シェアによりデリバリー、宅配等で巣籠り生活を支えている。
・イベント等のエンターテインメントは、リアルな場を失ったが、最新技術と新たなビジネスモデルで、発信を続けている。

●(理想像)災害と感染症への対応
・2030年6月に発生した激甚災害では、その災害発生と同時に地域防災コミュニティが立ち上がり、リアルハザードマップ等最新のICT武装で災害状況と感染状況の双方を把握し、住民の避難を支援している。
・住民は最新情報と防災チャットボットで自らの避難行動を開始している。
・避難所では、避難者が即時に個人特定され、感染者及び濃厚接触者用は、専用避難所に隔離されてクラスター発生を回避している。
・避難所は自治体職員と地域防災コミュニティが管理し、不足物資は直ちに把握されて、ドローンや自動運転車等により補給されている。

©iStock.com

自民党が中国のIT化を模倣

 これ、実は今年中国が行った新型コロナウイルス対策にそっくりなんですよね。世界のいろんな国が新型コロナ対策をしていますが、とりわけ中国にそっくりです。

「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか?」(星海社新書)

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 私は今夏、「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか?」(星海社新書)という本を出版したのですが、まさか自民党が専門家会議を経て中国のIT化を模倣しようという路線を進んでいるとは思いもせず、これなら知人友人読者に日本が目指すIT化を紹介する上で私の本を勧めたくなります。