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 ではここからはギョッとする現実をあげていく。

 東京五輪の開催経費は招致時の計画では総額7340億円だった。しかし昨年末に『五輪予算案1.6兆円承認 関連経費含め3兆円に 組織委』(朝日2020年12月23日)。

 経費の総額は3兆円を超えることになった。

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《その原資は多くが税金だ。開催決定から今まで、巨額のお金を出すことへの説明責任を国や都が果たしているとは思えない。》(同)

東京五輪の経費総額は当初の4倍を超えた ©iStock.com

 これが「人類がウイルスに打ち勝った証し」の正体である。

 アスリートの視点に立てば『緊急事態宣言 五輪へ強化ピンチ』(読売1月9日)という問題もある。

《競技団体は新型コロナウイルス感染防止に努めながらの強化活動に苦慮している。約半年後の開幕に向けて強化を加速させなければならない中で、合宿の中止など計画を練り直す団体もある。》

「五輪決行」のための唯一の解決策とは…?

 五輪を決行するには課題が多すぎる。一体どうすればいいのか。解決策がひとつだけあった。

 昨年12月24日の森漫談にあったのである。

最後は「神頼み」では… ©文藝春秋

「無観客となるのか、どれだけのお客さんが入るのか、無制限で行けるのかは天との勝負。神様がどれだけ味方していただけるかだ」(日刊スポーツ12月24日)

 では「政界地獄耳」師匠にツッコんでもらおう。

《当時から今まで森が頼るものは神様だということに変わりはないことだ。国民の批判は神頼みではなく合理的で科学的な政策判断だ。》(1月16日)

 森喜朗先生は漫談家ではなく漫才コンビだったのかもしれない。相方は国民。以上、今週の新聞読み比べの発見でした。